Tuesday, October 11, 2011

Steve Jobs氏の死

Steve Jobs氏がなくなりましたね。 とても残念です。

Do what you love, no matter what it happens to be.

彼の人生は挫折の連続でもありました。 親友のSteve Wasniacが離反したり、創業したApple社を追放されたり、買収したNextやPixarの経営がうまくいかず、規模をどんどん縮小し、遂に顧問弁護士から個人破産を予告されたり、、、

彼の生み出した製品が私たちの生活を大きく変えてきたことは間違いありませんが、彼の存在そのものに勇気つけられたものでした。

人類にとって、あまりにも大きな損失です。

合掌

Thursday, September 22, 2011

米HPのCEOも解任されるのか?

米HPのCEO  Leo Apotker氏の解任が噂されています。 昨年11月にCEOに就任してから、株価が47%も下がった、というのが解任の理由らしいです。

しかし、独SAP社の前CEOであった彼のやろうとしていることは、非常に真っ当に思えます。

看板であったコンシューマー向けPC事業をSPIN OFFして、独立させて自由度を高めると同時に、残りの法人向け事業のクラウド化、サービス化に全力を挙げる、というものです。

また、その為にWebOSという独自OSをもつAutonomy社を10.3Bドルで買収し、ハードウェアの会社から、ソフトウェア事業への転換をはかろうというものでした。

この事業構造の転換は、NECや、日立、富士通などの日本のメーカーも志向していますね。 でも、変革はHPに比べると、非常に緩やかです。

まだ、1年もたっていないのに解任とは、如何に米国企業が株価に敏感か、ということが良くわかります。

一方で、よくも悪くも、日本のIT企業は、ゆっくりしています。

Tuesday, September 20, 2011

米Yahoo CEO Carol Bartsが解雇

2009年1月、鳴り物入りで新しいCEOになった女性CEO Carol Barts女史が
ボードからの電話一本で解雇になりましたね。

2年10ヶ月で業績を回復させることができなかった、というのが解雇の理由ですが、
やはり米国企業は、決断が速い。

日系企業では、大企業の社長がたった2年半で解雇になるなんて、ないでしょうね。

Wednesday, July 13, 2011

各県知事の出身をみて、「脱官僚、地方自治」は無理だと思った

最近、県知事が良く新聞に出ますね。 橋本大阪府知事に噛みつかれた鳥取県知事だとか、玄海町のある佐賀県知事だとか。 それで、「あれ、結構中央官庁出身の知事が多いな」と思ったので、各都道府県知事の出身を調べてみました。 

すると、何と中央官庁出身の知事が多いことか、、、特に、地方交付税交付金をもらっている県程、中央官庁出身の比率が高いことが分かりました。 結局、地方で中央官僚出身者を首長に選んでおいて、「天下り反対、脱官僚、地方自治だ」を求めたって実現するわけないですよね。  国会議員にだけ、脱官僚を求めたって、足元でこんな事をしていたら無理ですよ。 調べて、かなりショックで脱力してしまいました。


ちなみに、順位は、県民1人あたりの地方交付税交付金の額が多い順です。

例えば、ここに島根県の4人家族と東京の4人家族がいます。

島根県の家族は、身の回りの環境を整えるために、毎年43.2万円もらえます。

一方、東京の4人家族は、2400円です。

島根県の大学生は、10万円をもらえますが、東京の大学生は、600円です。


勿論、これは、一般予算に組み込まれている交付金ですから、いわゆる原発関係の交付金とは別です。

この金額の差を多いとみるか、意外に少ないとみるか、どうでしょうか。。

何れにしても、交付金の額が少ない程、知事は、中央省庁出身かどうかに関係なく選ぶ、ということですね。


鶏と玉子、的な面もありますが、中央官僚から脱却して知事を選ばない限り、地方自治など実現しないと思います。

Friday, July 1, 2011

世界一の密集都市、 ヒートアイランド 東京は猛暑

今年は平年より東日本で3.8℃、西日本で3.3℃高く、上・中・下旬と旬毎の統計を取り始めた1961年以降、最高だそうです。 しかしなにより、節電の為、家でも、学校でも、スーパーやコンビニでも、空調や冷房が効いていないので、余計に熱く感じます。

そしてこの温度は、照り返しのない、芝生などの1.2m~1.5m上に設置された、風通しの良い百葉箱の中で、直射日光の影響を受けないようにして測定されますから、実際の体感温度は、はるかに測定、発表された気温より高くなります。

特に、ヒートアイランド化が指摘されるコンクリートで囲まれた首都圏は、非常に熱くなります。
(いや、本当に’熱く’なると思うのですよ、)

緑が欲しいところですが、なんといっても、世界中(北側先進国)で一番、東京は緑が少ないのではないでしょうか?
そこで、東京、ニューヨーク、ワシントン(米国首都)、ロンドン、ソウルをGoogleで調べてみました。

これが、東京

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これが、世界の大都会、ニューヨーク

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有名なセントラルパークが、見えますね。

これが、米国首都のワシントン

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さすがに、緑が沢山ありますね。 ワシントンは、周辺緑化に大変熱心です。


そして、ロンドン

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ロンドンも古くから都市化の進んだ街で、近年さらに密集化の勢いが増してすが、公園を愛する国民性らしく、ところどころに緑が見えますね。


最後にソウルです。

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日本の場合、関東平野に、如何にきめ細かく、多くの建物や道路が作られ、緑がすくないかが分かります。

東日本大震災で被災された方は、40万人もいらっしゃいます。 未だ、避難所で生活されていますから、一刻も早い社会基盤の復旧が必要でしょう。

しかし、東京にも、1300万人が住んでいます。神奈川、千葉、埼玉を含めると、35,350万人が、電力が足りない中で、「電気難民」と化しています。 もっと少ない電力でも、恒常的に快適に暮らせるよう、都市緑化に投資をしても良いのではないでしょうか?

Thursday, June 23, 2011

今後10年で無くなる産業 -アメリカ銀行協会発表

産業の栄枯盛衰は世の常。 かつて「鉄は国家なり」といわれて優秀な学生がこぞって就職した鉄鋼業界は、最早、青息吐息の状態だ。  更に産業のライフサイクルの回転が激しくなった今では、就職した会社が退職するまで優良企業であり続ける保証は全くありません。

さて、全米銀行協会が、今後10年で産業としてなくなってしまうと予測されるTOP10を発表しました。http://www.ibisworld.com/Common/MediaCenter/Dying%20Industries.pdf

もっともインパクトのある上位5つの産業は、

第1位: 通信業界(固定ケーブル)
 過去10年で市場縮小率: -54.9%
 今後5年間の縮小予測 : -37.1%
 2010年市場規模: 154,094 $M

第2位: 製粉業界
 過去10年で市場縮小率: -50.2%

 今後5年間の縮小予測 : -10.1%
 2010年市場規模: 54,645 $M

第3位: 新聞業界

 過去10年で市場縮小率: -35.9%
 今後5年間の縮小予測 : -18.8%
 2010年市場規模: 40,726 $M

第4位: アパレル製造

 過去10年で市場縮小率: -77.1%
 今後5年間の縮小予測 : -8.5%
 2010年市場規模: 12,800 $M

第5位: DVD, Game, Video レンタル
 過去10年で市場縮小率: -35.7%
 今後5年間の縮小予測 : -19.3%
 2010年市場規模: 4,538 $M

特に通信業界、携帯事業は伸びていますが、なんと言ってもスカイプなどによるVoIP化で、音声に課金できなくなるのが、今までの事業モデルを覆してしまうほどのインパクトがあるだろう、と予測しています。

新聞も、印刷された紙を販売することによって情報に課金していた訳で、この紙の印刷、流通が、新規参入者にとって障壁となっていた訳ですが、今やインターネットの出現によって、情報流通のコストがとても小さくなっていて、かつてのように大手数社による寡占状態が維持できなくなるでしょう。

さて、夏本番は、インターンの時期でもあります。 今、人気のある企業ばかりでなはなく、無名でも面白そうな会社でインターンを経験してみるのも良いかも知れませんよ。

Tuesday, June 21, 2011

高速道路 無料化社会実験、1000円上限廃止で浮く2.1兆円

民主党が公約として衆議院選挙を戦ったマニフェスト、1つも実行されませんね。

今回の上限廃止(無料化社会実験終了)で予定したいた2.1兆円が、浮くという。
これを被災した東北地方の復興に廻したい、ということらしい。

今回の変更で、東北自動車道を無料で利用するには被災地証明が必要とされた。 そして、この証明書の発行の基準が自治体の判断によって違う事が問題にされているが、この2.1兆円に比べたら、この問題は、非常に小さいことがわかります。 

(それはそうでしょう、日本で全国的に行われていた、実質割引措置が、被災した東北自動車に限定された訳だから、費用は、日本全国で行われた時に比べれば、各段に安くなるのは自明ですね。 

全体としてみると大した事がないこの証明書問題は、国交省が仕組んだ、見せ球か?と思ってしまいます。 国民の注目がこの証明書問題に集まれば、2.1兆円の使途に注意がいきませんから、)

何となく、「復興支援だからやむを得ないか」と考えていても、本当にこの分のお金が復興支援に廻るのか注意してみておかないといけませんね。 今、復興支援は、何をするにも免罪符的になっていますから、気が付いたら別の予算に転用されていた、ということがないようにしなければいけません。


【高速道路新料金】無料化予算「できるだけ復興に」

2011年3月22日(火) 12時30分

4月1日のスタートに向けて準備が進んでいた高速道路新料金について、大畠章宏国交相は、「予算をできるだけ災害復興に充てたい」と、話した。22日の閣議後会見で明らかにした。

民主党はマニフェストで高速道路無料化を掲げて、当時国交相だった前原案を一蹴して、再度、料金割引を作り直したほど力を注いでいた。

新しい料金制度には、予算審議を待つ高速道路無料化社会実験予算1200億円と、主に新料金の割引分に充当される2兆円余りの利便増進事業費が確保されているが、この財源を東日本大地震の復興財源に替えるべきだ、という意見が民主党内からも出ていた。

大畠氏は「私自身も新しい高速道路無料化社会実験を行うべきと思っていたが、地震、津波、原子力の状況を踏まえて、本日、与党と意見交換する」と、述べた。

本日16時からの経済産業・国土交通合同部門会議で話し合う。国交省としての復興対応の高速道路料金は「明日明らかにする」(大畠氏)という。

Sunday, June 19, 2011

飽和したらスターバックス・モデルでいこう!!

先日、スターバックスに関する本の事を書いた。 もともとスターバックスは好きだし、興味のある会社だったので、ちょっとスターバックスについて書いてみる。

スターバックスは、1971年にシアトルで始まった小さなコーヒーショップだった。 1982年に、ハワード・シュルツが就職した。翌年、シュルツがイタリアに旅行して本場のコーヒーショップを訪れ、そこでイタリアのコーヒーショップでは、顧客との会話がとても重要視されていて、コーヒーを中心にしながら、非常に居心地の良い環境を提供しいることに非常に感銘を受ける。

帰国後、積極的に店舗展開しようというシュルツと当時のスターバックスの経営陣は、意見があわず、シュルツは一度、スターバックスを退社することとなる。 その後、自分で始めたコーヒー店がシアトルで爆発的に人気を得たので、ローカル・インベスターの協力を得て、当時のスターバックス経営陣から、会社を買い受けることとなる。

1985年のことだ。 そこから、スターバックスは爆発的に発展することになる。

スターバックスは、
・顧客を大切にする
・従業員を大切にする
 (アメリカでは、パートタイムワーカーでも、
  保険が受けられる。 株式持ち合いもできる)
・顧客と従業員が作り出す、カスタマー・エクスペリエンスを大切にする
・地域コミュニティーを大切にする

などが、有名。

でも、本当に注目したいのは、海外展開の速さだ。 アメリカの会社は、あるモデルを作ると、直ぐに海外展開をする。スターバックスの提供するエスプレッソの本場は、イタリアで、Authentic(伝統的で正当)な味は、イタリアのエスプレッソだが、全く気にしない。

コモディティーになったら、海外展開しろ、というのが鉄則だ。

日本の企業もこれくらいのスピードで、海外展開する必要があるのでしょう。
20年少しで、17店舗から、17,000店舗へ。 もの凄い勢いですね、


因みに、シュルツ氏の話がUPされているので興味のある人はどうぞ。
スターバックスが初めて海外店を出したのが東京の銀座ですが、その時のエピソードも語られています。



tp

Saturday, June 18, 2011

国会では大事な事を議論して欲しいのだが、

菅総理の辞任時期を巡って、与党も野党も、大騒ぎである。
実にバカバカしい。

本当に議論して欲しいことがあるのだが、

◆第二次補正予算
2兆円の復興予算が組まれるという。 第一次補正予算と合わせると3兆円になるのだが、この資金で、どのような社会基盤を作っていくのか。
地元の人は、震災前の元の状態に戻りたいと思っているし、たとえば、経団連は、更に発展した、新しい持続可能な社会基盤を作らなければ、意味がない、と訴えている。
どういう復興(又は、単に復旧)構想をまとめ上げるのか、その為に、地方(地元)と国(地元以外の人々)が、どのようにお金を出し合うのか、しっかり議論して欲しい。

◆子供手当て
民主党の看板政策を、自民党との連携のために、見直しをしようという動きがある。
「コンクリートから人へ」という政策を具現化する1つの重要施策だったが、これを見直すという。
今年初めて、出生率が若干改善されている事が確認された。 これは、子供手当に代表されるように、社会全体で子育てを支援していく、という政府の態度の成果ではないか?
良く、検証して欲しいのだが、

◆TPPへの参加と農業政策
TPPへの参加表明を見送りしたとたんに、農協は、構造改革という言葉を使わなくなってしまった。
為替の関係もあり、日本での物作りは、ほぼ壊滅的な状況にあるが、これで他国と関税でも差がつくようなら、最早、日本で製造を続けることは不可能になるだろう。

管総理の辞任を促すなら、きちんと代替の案をだして政策議論をして、その目的に合わないから、辞任を促す、という本来のあるべき姿に戻ってほしいのだが。。。

大丈夫か?国会議員。

電気の規格を巡る競争 (2) AC電流(ウェスティングハウス) VS DC電流(エジソン)

電球を発明した後、エジソンは、それに相応しい発電所、電気のケーブル、モーターなど、すべてDC電流で動くシステムを作り始めた。 そして、1887年には、エジソンは、NJに121もの発電所を建設、運営していた。 

エジソンより1歳年上のウェスティンハウスは、エジソンのいるニューヨークを避けて、ACによる電力事業を、米国南部や西部で開始した。

やがて次第に、ACによる良さが明らかになってきた。 DCで発電した電力は、わずか数マイルから送電する事ができない。 これ以上距離が離れると、電気はケーブルの中で単に熱に代わってしまうのだった。 これは、結局、各都市に一つ、発電所が必要になる、ということだった。 ところがACは、トランスフォーマーを使うことにより、電気を何十マイルも離れた場所に送電する事が出来た。 だから1つの発電所を作れば、複数の都市で、その恩恵を受けることができた。

でも当時、NYにACのシステムを作ることは、
Taking on Edison at his own game was like Toyota taking on GM in Detoroit.
だと表現されている。

その時、偶然起こった経済の異変が、その後の二人の競争に大きな影響を与えた。

In 1887 the price of copper began to rise sharply. Shortly after French syndicate cornered the copper market, it drve the price of copper up from nine cents per pound to twenty cents per pound.

DC systems relied hevily on fat copper wires to carry current. High copper prices meant the cost of installing DC systems would skyrocket. On the other hand, high voltage(two thousand volts) alternating current could still be carried on skinny copper wires. And perhaps in comparing the operating costs of the two systems, Edison now for the first time perceived AC to be real threat.

Now Edison faced a double-edged sword: the high cost of the copper wiring and the superiority of the AC system.

そこでEdisonは、AC電流が危険であることの、ネガティブ・キャンペーンを開始した、

In February 1888, Edison showered West Orange with red leaflets screaming A WARNING! FROM THE EDISON ELECTRIC CO. Each eighty-three page leaflet accused Edison Electric's competitors of being liars and thieves. The leaflet was intended to scare people. It listed unfortune souls who had fried to death in theater and factory accidents. Is this the kind of electricity you want to be using in your home? Any responsible parent would have to say NO.

BrownというDCに好意的な科学者(事実、彼自身、DCに関する複数の特許を持っている)を雇ってキャンペーンを始めた。

「高電圧を利用するACはDCに比べて危険だ。だから300Volt以下に規制しなくてはいけない」というのだ。 300Volt以下では、DCは、ACに対する優位性を失ってします。

そしてACの危険性を証明する為に動物実験を始めた。 近所の犬や猫に電気を流して、AC電流で動物が死んでしまう、という事を証明しようとした。 そして、DCは300vから、ACは1000Vを流して、犬や猫が、どのように死んでいくかを克明に記録して公表することにより、世の中にAC電流の危険性を訴えた。 そして、実際に、ニュースレポーターを大勢集めて、大型犬をAC電流で殺すという実験をした。

ところで、当時、NYでは、絞首刑について、議論があった。 首を吊る仕掛けに失敗して受刑者が不要に苦しむことがある。 これを、何とか改善したい、という動きがあった。そこで、諮問委員会で、電気によって人を処刑する(Electric Execution)事を検討したが、最初は、否決された。

そこで、Edison自身が、ACによる処刑が如何に人に苦痛を与えないか、ということを説明して、
議論は、大きく電気による処刑を実施することに傾いていった。

そして、1890年8月6日、 初めて実際に電気椅子によって人間が処刑されることとなった。
(Edisonは、電気で処刑することを、彼の競争者の名前をとって、Westinghouseと呼ぶことにしよう、と呼びかけた。 Let's westinghouse him!!と、言うように。)

電気椅子による処刑の結果は、それは、それは、苦痛がない、とうものとは程遠かった。

'The guillotine is better than the gallows., the gallows is better than electrical execution." is how Dr. E.C. Spitzka, attending physician and witness, phrased it.

しかし、1893年には、勝負はついてしまう。 Chicago World's Fairの電力システムに関する入札で完敗し、同年秋のNiagara Fallsの水力発電所が、ACになることが決定したため、エジソンは、DCに関する興味を失ってしまう。

そして、別の研究に没頭するべく、Menlo Parkの研究所に戻っていくのだった。

著者である、Ira Flatowは、この本の中で、一般に思われている発明者が、実際の発明者と異なるケースを多く紹介している。(有名な電話の開発に関する話。 テレビを本当の意味で開発したのは誰か、等)

多くの場合、特許紛争になるが、それでも技術は社会に入り込んで、世界を、人々の暮らしを変えていく。

この本を読むと、アメリカ人が如何に、こういう「発明によって世界を変える」ということに、昔から情熱を燃やしてきた事が良くわかる。 

今、電力も次世代エネルギーを巡って、太陽光、風力、地熱等、様々な方法の技術開発が試みられていて、どれが本命なのか、分からない混沌とした状況だ。

アメリカ人は、こういう時に非常に情熱を傾ける。 それはエジソンとウェスティングハウスが作り上げたビジネスモデルを、根底から変えることができるかもしれない可能性が非常に高いからだ。 そして、そのモデルを作り上げた物が、今後、何十年、何百年と市場を支配することができるかも知れない。開発者は、次世代技術を開発したという栄誉と、そこから生まれる金銭的な受益者となり、正に成功者となることができる。 

この本は、多くの事例を紹介しながら、(主にアメリカの)発明者が、どれだけの情熱と努力を傾けるか、非常に良くわかって面白い。

電気の規格を巡る競争(1) - 電球を発明したのは誰か

1880年当時の新世代エネルギーの電気。 それまでのガス塔などの業界を一変させてしまった当時の新テクノロジーの電気。 このスタンダードが決まるまでには、実はエジソンとウェスティングハウスの熾烈な規格競争があった。 このスタンダード獲得競争は、純粋な科学的見地だけではなく、メディアを巻き込んだ熾烈な、非常に醜い競争だった。

この一連の発明を巡る競争を、
「They All Laughed...」
Fascinating Stories Behind the Great Inventions That Have Changed Our Lives
は、分かりやすく伝えている。

この本は、アメリカの公共放送(NPR)で長くサイエンスライターとして活躍する著者 Ira Flatowが、人々の生活を変えるような発明が、実際にはどのように過程で、世に生まれてきたかを青少年向けに書いた本だが、実に面白い。

まず最初に有名な電球の発明に関する話し。
電球を発明したのはエジソンだと、普通の人は思っているが、実は、エジソンは単に、より効率良く、長く燃える素材をみつけたに過ぎない、という事をこの本は明らかにしている。

By August 1879, a better quality bamboo, called Japanese bamboo, proved to burn longest. By the end of the year bamboo lamps were burning for 240 or more hours.

しかし、エジソンが発明されたと思われている電球と、全く同じ形、全く同じように真空にされたガラス管に、同じような馬蹄の形の電線で、照明がつけられることを、エジソンの15年も前にイギリスの発明家 Joseph Swanが証明している。 (彼は関連する特許も取得している。)

1879年7月、Joseph Swanが、それまで主に使われていたプラチナの変わりに、カーボン素材を使うと、電球は、より長く光り続けることができる、とアメリカの科学雑誌に発表した、その10月に、エジソンは、新しくカーボン素材を電線に使うことで、実用的な電球を発明したと発表したのだ。
(エジソンは、自分が発明した後で、この記事を読んだ、と主張している。)

これは、当然、特許紛争になったが、この種の紛争に慣れているエジソンは、法廷で決着をつけるよりも、電球のパテントを独占する会社をSwanと共同で設立することで、和解している。

Joseph Swanは言う、
Fifteen years ago, I used charred paper and card in the construction of an elecric lamp on the incandescent principle. I used it, too, in the shape of a horse-shoe, precisely as you say Mr. Edison is now using it.

では、何故、(イギリス人を除いた)世界中で、エジソンが電球を発明したと思われているのか?

それは、既に発明王として名前が知れ渡っていたエジソンを巡る米国メディアの影響力だという。
例えば、1879年12月のNew York Herald誌の記事

--Headline; Edison's light:
Scoop of the inside story of how Edison had succeeded in producing 'the perfected lamp.--

「Sitting one night in his laboratory reflecting on some of the unfinished details, Edison began abstractedly rolling between fingers a piece of compressed lampblack until it had become a slender filament. Happening to glance at it the idea occurred to him that it might give good resules as a burner if made incandescent. A few minutes later the experiment was tried, and to the inventor's gratification, satisfactory, although not surprising, results were obtained.」

著者は続ける。
What a great story! Except one ugly detail. There is no record of this legendary light bulb. Despite Edison being quoted as saying that this account of story is essentially true, records of the laboratory show nothing of great interest happening on October 21.

October 21 was considered as the day Edison discovered the secret of the incandescent lamp-carbon. For many years, that day has been celebrated as Electric Light Day by power companies.

発明をロマンティサイズしたい、新聞等のメディアやハリウッドが、エジソンが単独で電球を考えたというイメージを、世界中に植え付けたのだ、と言っている。

しかし、だからと言って、著者はエジソンを非難してばかりではない。

An invention is worthless if it only functions under laboratory conditions. Only Edison designed his lamp, from the beginning, to be part of a total electrical system the size of a city, complete with elecctric dynamos to produce the electicity and wires and fuses to distribute and control it.

エジソンは、単に電球を作るだけでなく、電球によって実際の街中を明るくしようと考えた。
そのためには、発電所だっているし、送電線も必要になる。 家庭で使うためのヒューズなどが、一連のシステムとなって初めて意味がある、と考えたところが、素晴らしい点だと指摘する。

そして、電気の話に続く。
ご存知のように、電気には2種類の周波数がある。DC(Direct Currency)とAC(Alternating Currency)だ。
DC電流による電力供給にエジソンは執拗に拘った。 Westinghouse氏(同じく当時の発明家であり事業家)は、AC電流のメリットに注目した。 ここから、二人の競争が始まることになる。

Wednesday, June 15, 2011

今週の原子力関連ニュース

忙しいと、今、原発や放射能問題が、どんな状況になっているのか、分からなくなりますね。
そこで、ヘッドラインだけを、まとめて掲載します。 もちろん、詳細はリンクをクリックして
原文を参照してくださいね。

**6月18日(土)
◆汚染水浄化、5時間で停止=装置で高線量、放射能の泥かー1週間以内の再開目指す。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011061800084
セシウム吸着塔の放射線量が想定より早く上昇し、交換基準に達した。汚染水に極めて高濃度の泥が含まれていた可能性などが考えられ、東電は1週間以内の原因究明と運転再開を目指している。同システムは試運転中に吸着塔で水漏れが相次ぎ、17日午後8時に本格運転を始めたばかりだった。

コメント)やはり、なかなかに難しいようですね。 ところで、汚染水の処理、アレバ社では1t当たり
2億円の請求がくるといいます。 高濃度汚染水は、10万トン以上が溜まっているとされるから、全部処理を依頼すると、20億円以上になります。
一方で金沢大学は、アレバ社の20倍の処理能力がある薬剤を開発したとか。 これでけシステムが作り込まれてしまっている中で、部分的に、他の技術を使うのは、かなり難しいと思うが、ぜひ、積極的に、活用できるよう検討してもらいたいものです。 ロボットの二の舞にならないように、

◆仏で静岡産茶葉から規制値超す放射性セシウム
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110618-OYT1T00264.htm
仏政府は17日、パリ郊外シャルル・ドゴール空港での検疫で、輸入された静岡県産の茶葉から、規制値を超える1キロ・グラム当たり1038ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
コメント) 本当でしょうか? 続報に期待

**6月17日(金)
◆汚染水保管タンク、高速道利用し移送
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20110617-00000020-jnn-soci
東京電力は今月4日から福島第一原発の汚染水をためるため、工場がある栃木県鹿沼市からおよそ120トンの大型タンクの移送を始めています。17日からは、大型タンクを積んだトレーラーがおよそ500メートルの列をつくり高速道路の鹿沼インターチェンジから広野インターチェンジを利用して移送を行いました。
コメント)
現場に汚染水を保管する場所がなくなっているので、止むを得ないのでしょうが、交通事故を起こしたら大変なことになりますね、 特に、テロのある国なら警察や軍が護送するのでしょうが、このトレーラーには、全くそういった警戒はされていません。 単に、連なって何台も走っている、という感じです。 大丈夫でしょうか?

**6月16日(木)
◆福島第一の浄化装置、試運転順調 17日夕から本格稼働
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819595E3E4E2E2848DE3E4E2E4E0E2E3E39797E0E2E2E2
コメント) 昨日の続報。 順調そうですね。

◆福島第一原発:ホットスポットを勧奨地点に指定、避難支援
政府の原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)は16日、福島第1原発から20キロ以上離れた地域で、放射線量が高く「ホットスポット」と呼ばれる地点を「特定避難勧奨地点」に指定し、住民の避難を支援すると発表した。 指定されるのは、警戒区域と計画的避難区域の外で、年間被ばく量が20ミリシーベルトを超える可能性がある場所。
コメント) 被ばく量の測定は、やり方によって随分、値に違いがあるよう。 そもそも、県などの公共機関でも、複数、数値が出たら、低い方を公表するのではないか、という疑いが、どうしてもぬぐえない。。。
**6月15日(水)
◆茨城県、海水浴安全宣言 17地点放射線量、海水なし・砂浜も低く 
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110615ddlk08040201000c.html
検査は7~10日に実施。遊泳客が集まる水深1~1・5メートル付近を調べた海水の検査では、全地点で放射性ヨウ素、放射性セシウムが不検出。砂浜の検査では、0・05~0・14マイクロシーベルトと比較的低い値にとどまった。

◆ブロッコリーなど制限解除 福島県の11市町村
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110615/trd11061517500017-n1.htm
政府は15日、福島県北部を中心とする11市町村で作られたブロッコリーなどについて、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止を解除した。放射性物質の量が食品衛生法上の暫定基準値を3週連続で下回ったため。

◆汚染水浄化、仏アレバ社製装置の試運転開始
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E7E2E2858DE3E7E2E4E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
福島第1原子力発電所の放射性物質を高濃度に含む汚染水の処理に向け、仏アレバ社製装置の試運転を開始した。17日から高濃度汚染水を処理する計画。東電によるとこれまでに米社の装置だけでセシウムの量を最大3300分の1にできた。アレバの装置を併用し、最後は放射性物質の量を最大1万分の1に減らせるという。

Sunday, June 12, 2011

【Book Review】 How Starbucks Saved My Life

アメリカで生計をたてていくというのは、本当に大変なことだ。
どんな本を読むよりも、この本を読むと本当に実感される。

この本は、子供の頃から、とても裕福で、何の問題もなく名門、Yale大学を卒業し、直ぐにJWTという米国の一流広告代理店に勤めて、Executivにまで上り詰めた著者(Michael Gates Gill) が、ある日、突然、解雇を宣告されるところから始まる。

I recieved a call from young Linda White, a senior JWT executive. 'Let's have breakfast tomorrow." came her directive. Those aren't good words to hear from a colleague. I liked Linda. A few years earlier, I had convinced the the old boy network that we needed an intelligent young woman. Linda had done well, and I had helped get her on the Board of Directors. The only woman on the board. In fact, Linda was now president, having passed me in the corporate hierarchy....

On the morning of our breakfast, Linda showed up late. Another bad sign. In corporate America, the higher your status, the tardier you are.

'Michael' Linda said. 'I have some bad news.' By the time you got to a breakfast meeting, outside the office, the deal was done. I knew I was history. 'Michael, we have to let you go.' She pronounced the words robotically.…

I suddenly, desperately realized that I had nowhere to go. For the first time in twenty-five years, I had no clients waiting for me to make sense of a communication campaign. I started walking and found myself crying on the street. It was humiliating. Crying! Me! Yet, at fifty-three, I had just been given a professional death notice.....

こうして、失業してしまったエグゼクティブは、どこに行くか? 朝、起きて外出する必要がなくなると、何か外出する理由を見つけたくなるもので、彼はスポーツジムに通いだす。 ここまでなら、良かったかもしれない。

ところが、そこで、40代の女性と出会い、深い関係になってしまい、子供が生まれてしまう。 
I had kept my relationship with her secret, but when my new baby was born, I told my wife. She could not stand it. So, we got an 'amicable' divorce.

それまでの、最愛の4人の子供と妻と家族から離婚され、更には新しい子供の養育費も支払わなくてはいけない。 しかし、解雇された後に始めた個人事業の広告会社も、古い顧客をベースにしていたが、10年という間に、どんどん減っていってく。 電話をかけても、最早誰一人、電話をとってもくれなくなった。

そんな時、脳に腫瘍が見つかって、手術をしなければならないことが分かった。 しかし、保険がないので、手術もできない。 最早、来月の家賃も払えなくなった状況で、このままでは、今の一人暮らしのアパートも追い出されてしまう。 再就職しようにも、年齢から、どこにも雇ってもらえない。

そんな状況で立ち寄ったスターバックスで、思いもよらない声をかけられる。
'Would you like a job?’ それは、若いAfrican-Americanの女性からのものだった。
'Would you be willing to work for me?"
Her invitation to a job had been a kind of joke. I was ambivalent. The whole situation seemed backward to me. In the world I came from, I should have been the one being kind enough, philanthropic enough to offer her a job. ..
This young woman clearly didn't care if I said yes or no to her job offer. How had she gotten to be such a winner? My world had turned updide down.

大学を卒業して一流企業でExecutiveにまでなった白人の男性が、若いAfrican-Americanの女性の下で、Starbucksという、人にServeする仕事をすることが可能なのか? 

今でもそうだが、Starbucksで白人の壮年の男性がカウンターで、コーヒーを作ったり、レジを打つ姿というのは、まず見かけない。 スターバックスに限らないが、スーパーで働くのは、学歴のない、African-American, 最近はHispanicと決まっていて、そこには明らかに人種による壁がある。

しかし、最早、寝るところもなくなる著者は、結局スターバックスで働くことになる。そして、最後には、世間から見たら恵まれないパートナーから、こんなポエムをもらうようになる、

Dear Lord please give him,
* A few friends who understand him & remain his friends
* A work to do which has real value, whitout which the world would be poorer
* A mind unafraid to travel, even though the trail be rough

この本を読むと、アメリカ人の仕事感や、人種に対する考え方が、非常に良くわかる。
それは、白人がAfrican-Americanを見る場合もそうだし、African-Americanが白人をどうみているかもわかる。 英語も口語的でわかりやすいので、ぜひ、おすすめしたい一冊だ。


ただ、途中、あまりにスターバックスをほめるので、PRでもしてプロモーションでもしているのではないかと思うが、実は、スターバックスからは、一円であろうと、この本のお蔭で余分に給与が払われた事はないし、昇格した事もない、という。 その代り、これを書いてくれ、とか、こういう事を書いてはいけない、と言われたこともない。そういうところがスターバックスらしくて良い、と著者は言っている。

Wednesday, June 8, 2011

国交省「高速道路無料化、休日1000円上限撤廃」を発表

殆どの新聞は、無料化される東北自動車道の路線をトップニュースにもってきているが、私はむしろ、休日上限1,000円撤廃のニュースの方が影響が大きいのではないか、と思う。

首都圏からみると、明らかに上限1,000円の為に、山梨県や群馬県などは経済押し上げ効果があったように思うが、止めるというからには、効果が無かったという事か?

そう思って国交省が社会実験の効果をどう評価したのか、確認してみた。
http://www.mlit.go.jp/common/000136688.pdf

ご覧になるとわかるが、驚いたことに、国交省では、「無料化によって高速道路の利用が、平行して走る交通機関にどう影響を与えるか」しか評価していない。
勿論、結果は、平行する交通機関、道路(特に有料の場合)は、利用が減る、ということだ。

しかし、これによる経済波及効果の分析は、全くない。

上限1,000円は都心に住む人が、郊外の良い環境を満喫する為に効果があったと思うし、都心の隣接県も、その経済効果があった筈だ。 こういう評価は、国交省の管轄外なのか?

勿論、無料化や1,000円上限は、有料の交通機関(鉄道やフェリー各社)から激しい反発があったと聞く。 そういう利益団体にのみ配慮して、一般市民の利益を犠牲にしたとしか思えない。


米国のニューヨークなどの大都市も、週末は郊外の別荘等、豊かな環境の中で過ごす、というのが流行っている。

そろそろ日本も、本当に豊かに暮らすために、国土全体を有意義に、生活シーンに合わせて使い分けられるような社会基盤の利用形態に変えていくべきだと思う。

因みに、現職の国交大臣は
大畠 章宏 氏 (茨城県 5区:) 鳩山派:旧社会党出身 63歳 

この人は、昨年10月に尖閣問題で中国がレアアースの対日出荷を制限しているときに、経済産業大臣として「、「中国とレアアース(希土類)の代替材料やリサイクル技術を共同研究したい」と、中国に伝えた人だ。 

経産省の次は国交省の大臣の要職についている。 こういう人しか民主党にはいないのだろうか?

因みに、下のリンクは面白いので、ご参考まで
http://kokohendarou.seesaa.net/category/9049515-1.html

Monday, June 6, 2011

災害救助と政治家

アメリカには、FEMA(Federal Emergency Management Agency)という、各州などで対応しきれない災害に対応する為の機関がある。
2005年のハリケーン・カトリーナの対応で、全く機能していない、と集中的な非難を浴びた組織だ。


そのトップであったMichael Brown 氏が、ちょうど本を出版し、その中で吠えている。

曰く、ミシシッピー州をハリケーン・カトリーナが襲い未曽有の災害を引き起こした時に、
当時のブッシュ大統領(共和党)の腹心、Karl Rove 氏が、民主党支持の同州を何とか共和党支持にしようと思って、いちいち電話で細かい指示を与えてきた、というのだ。

「ここの地区をどうして優先しないんだ」「この地区のこの人がこういうものを必要だと言っている」とFEMAのスタッフに直接電話してきて、影響力を行使しようとしていた。 それは、全体の復旧作業にとって、全く関係のないことだった、


“And if you had a favorite parish, or you had somebody you were trying to help, Karl was stepping in and he was making phone calls back to my staff saying, ‘Why aren’t we doing something over here?’ or 'Let’s go do this over here,’ or ‘This person in this parish needs this.’ Totally irrespective of what the overall game plan was to respond to this disaster.”
=ABC NEWS
http://blogs.abcnews.com/thenote/2011/06/michael-brown-karl-rove-micromanaged-katrina-response.html

というのだ。

こういう事は、洋の東西を問わない。 アメリカの良いところは、こういう事をすると、後日、実名で非難されることだ。 Brown氏も、一連の証拠をとっている、と言っている。

東日本大震災でも、そういう政治家がいて、現場の作業を邪魔するような事があったら、ぜひ、実名で告発してもらいたい。

Sunday, June 5, 2011

歴代総理大臣の在職期間

日本の総理大臣は他国に比べて在職期間が短いと言われているので、調べてみた。
グラフにしてみると良くわかる。
日本国憲法下で、現在までに日本の総理大臣になった人は30人。

このうち、米国大統領の一期にあたる4年を超えて在職した総理大臣は5人しかいない。

1950年代の 吉田茂
1960年代の 池田勇人、佐藤栄作
1970年代は、なし
1980年代の、中曽根康弘
1990年代は なし
2000年代は 小泉純一郎

となる。 

因みに、米国大統領は、よほどのことがない限り2期8年在職するが、8年を超えて総理大臣を務めた人は、一人もいない。

3年以上在職した総理大臣でも岸伸介元総理が入って6名になるだけで、後の24名は、ほぼ2年未満で辞任している。

これは、よほどのリーダーでない限り、2年間在職することが出来ない仕組みになっていると考えた方が妥当ではないだろうか?

そして、この2年という短い在職期間で、何事かリーダーシップを発揮して、成し遂げるというのは極めて難しい。 特に、官僚などのスペシャリストが、どうせ2年で変わる首相の意向を組んで、大きく方針を変更する、ということは考えられない。

この制度を変更しないかぎり、首相にリーダーシップを求めるのは難しいだろう。


Friday, June 3, 2011

不信任案騒動から分かった明るい材料

非常に不毛であった今回の不信任案騒動だが、何か悪い事があった時に、「Let's look at the bright side.」と良く言うではありませんか。 


今回の明かり材料といえば、鳩山元総理が総理大臣を止めていて本当に良かった、という事が、再認識された事ですね。

宇宙人とよばれて、「常人では理解できない人」のレッテルを貼られ、自身も一度は政界引退を表明した人だが、未だに民主党内では重みがあるらしく、今回も重要な役割を演じた。
2日に首相官邸を訪問した、鳩山氏は「総理から(自主的な)早期退陣を確約いただいた」と、
党を割るべきか否かで揺れていた民主党議員は、この鳩山元首相の発表をきき、一気に、不信任案に賛成しない流に決まった。(この会談の内容さえ詳細に知らされなかった小沢元代表は、激怒した、と伝えられる)

菅総理は、2日昼間の代議士会では、この事に一切触れなかったが、鳩山氏との会談の結果、首相の早期退陣は確約されたと信じた民主党議員は、不信任案に賛成することなく、不信任案は否決されることとなった。

ところが、否決されるや、菅総理は「退陣は一定の目途がついたら」という事で、一向にいつ退陣するのかを明らかにしなくなり、これに鳩山元総理は、「(口約束でも)約束された事をまもらないなら、ペテン師でゆるされない。 早期に退陣しないのであれば、不信任案に賛成すべきであった」とかなり憤りながら、発言している。

反故にされかねない口約束のような曖昧な状況のままでも、約束されたものとして、皆を導き、後で「守らないのはペテン師」などと言って非難する。
民主党内でも「鳩山 伝書鳩にメッセージの伝言を頼むと、いつも違うものを持ってくる」と非難が湧き上がっている、と伝えられている。


 この人の信奉する「信義、友愛」が、このような脇の甘い政治折衝になるのだと思うが、これが、虚実混沌とする外交の責任者でもある総理大臣だったら、どんな国難を招いたかと思うとぞっとする。 本当に止めてもらっていてよかった。

不信任案: 大山鳴動 ねずみ 二匹 でしょうか

あれだけ大騒ぎをした内閣不信任案が、あっけなく否決されました。 民主党から造反者が出る、出る、と当日の早暁まで言われたのが、結局、不信任案に賛成したのは2名だけした。

もともと、とってつけたような「復興のため」という大義も寒々しく響くだけで、被災地からも「足の引っ張り合いをしている場合か」と、かなり怒りに満ちた目で見られていました。

しかし、採決当日早暁、70名近くの造反者は確実、80名にどこまで近づけるか?と騒がれていた結果が、たったの2名の造反者では、一体この騒動はなんだったのか、と思わずにはいられません。

内閣不信任案採決で賛成、欠席・棄権した民主党・与党系無所属議員

【賛成(2人)】松木謙公(3)、横粂勝仁(1)

【欠席・棄権(14人)】小沢一郎(14)、田中真紀子(6)、太田和美(2)、岡島一正(2)、石原洋三郎(1)、笠原多見子(1)、金子健一(1)、川島智太郎(1)、木内孝胤(1)、瑞慶覧長敏(1)、黒田雄(1)、三宅雪子(1)、三輪信昭(1)、佐藤夕子(無所属)(1)
でした。

Wednesday, June 1, 2011

醜い民主党の造反劇

今回の不信任案は、どうも、菅総理の能力が争点になっている気がしなし。 これは、昨年末から続く、小沢グループ VS 反小沢グループの「好き」「嫌い」の喧嘩にしか見えないからだ。
良くわからないのが、ちょうど一年前に小沢氏を道連れに辞任し、政界引退まで表明した鳩山前総理が、いつの間にかキャスティングボードを握るような立場になって、両陣営の間をウロウロしていることだ。

もう小沢、管、鳩山という中で、民主党の人事をたらい廻すのは止めにしてはどうか。
これも、議会制民主主義、国会議員が一国の首相を選ぶ制度の限界か?

自民党は、小泉政権以降、一年毎に首相を変えてきた。 これと全く同じ構造になっている。
引責辞任を迫る「小沢グループ」「鳩山グループ」から、辞任させた後、誰を首班指名するのか、全く聞こえてこない。 復興ビジョンや裏づけとなる財政をどうするのか、課題に対する答えが全く聞こえてこない。

この大事な時期に、このようなビジョンも提示しないまま、自分たちが指名した首相を引責辞任に追い込むという、国民不在の不毛な時間の浪費が、どうしても耐えられないのは、私だけではないだろう。

いずれにしても、菅内閣に在籍した小沢グループの5名が、既に辞表を提出した。

鈴木克昌(67才) 総務副大臣 愛知14区(衆院3回)、

三井辨雄(68才) 国土交通副大臣、北海道2区(衆院4回)

東祥三(60才)  内閣府副大臣、東京15区(衆院5回)

内山晃(57才)  総務政務官、千葉7区(衆院3回)

樋高剛(45才)  環境政務官、神奈川18区(衆院3回)

既に、混乱は動き始めた。

明日、自民党から提出された不信任案が採決される。

Tuesday, May 31, 2011

民主党造反議員は与党の自覚を

内閣不信任案の提出を6月1日に自民党が提出することを決めたらしい。

そこに、民主党議員の多く(30名~50名)が同意するのではないか、と報道されている。

この不信任案を提出するかどうかは、前幹事長の小沢一郎氏や前総理大臣の鳩山由紀夫氏が、かなり積極的に、グループを結集して働きかけているようだ。

単に、小沢氏と菅氏の派閥抗争にみえて、しかたがない。

そもそも、菅氏を批判しているが、不信任にしたあと、どうするのか、一向に見えてこない。 

どういう政策を、どのように実行するかを明確にして、そのためには、どうして菅総理では駄目なのかを国民の前に明らかにしないと、ただ、「駄目だ、駄目だ」では、責任ある与党議員とては、かなり無責任だ。 造反するなら、その前に、どういうビジョンを実現したいから、造反するのか、明確にしてほしい。

今まで、首相は問題がある度に辞任してきて、後任の首相は、なんとかなく、政策ビジョンを示すことなく与党内の論理で決められてきた。

現職が駄目だから退任させて、その後の首相は後で決めよう、という負の連鎖を、もう断ち切らなければいけない。

造反議員は与党議員として、責任のある態度で臨んでほしい。 こういう事がきちんとできないから、民主党に失望感が広がっていることを認識してほしい。最早、野党ではないのだ。

Sunday, May 29, 2011

H22年度 2兆1千億円の地方交付税交付金の行方


地方交付税の行方を見る前に、基本的な日本の県別状況として左に都道府県別の人口をみてみます。

相変わらず東京への一極集中が見られます。東京都だけで日本の全人口の10%にのぼる人が住んでいます。

又は、東京圏(東京、神奈川千葉、埼玉)でみると28%にもなります。

これらが、日本の国土の非常に狭い面積しか占めていないことを考えると、異常な人口集中であることがわかります。
面積比で、東京の日本全土に占める割合は、0.3%。
東京圏で、たった3.6%でしかありません。

ただ、あまり人口集中の問題をここで論じたくないので、次の統計に。(面白いURLは、http://rnk.uub.jp/rnk/prnk.cgi?T=p


次に、H22年度の地方交付税交付金の県別交付先をみてみます。

H22年度の地方交付税交付金の総額は、2兆1千5百億円でした。

交付された金額の絶対額が多いのは
北海道、兵庫県、大阪府の順でしたが、ここでは1人当たりの都道府県に交付される金額の多寡をみてみます。

すると、
1位 島根県 59.328円/人
2位 高知県 53,506円/人
3位 鳥取県 49,850円/人
4位 徳島県 44,620円/人
5位 秋田県 43,660円/人

逆に交付額が少ないのは
1位 東京都      0円/人
2位 愛知県   1,462円/人
                         3位 神奈川県   1,513円/人
                         4位 千葉県      6,766円/人
                         5位 埼玉県     6,847円/人

となっています。

では、地方交付税交付金とは何か、
総務省のHPから、そのまま転記しますと、

性 格



地方交付税は、本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税」 (固有財源)という性格をもっています。

総 額



地方交付税の総額は、所得税・酒税の32%、法人税の34%(平成19年度から)、消費税の29.5%(平成9年度から)、たばこ税の25%とされています(地方交付税法第6条)。
とあります。

国が、豊かな人又は法人から税を一回あつめて、地域間の不均衡を解消するために設けられている制度ですから、東京や、愛知、神奈川、千葉、埼玉の人にとって搾取的に写るのも、無理はありません。

問題は、交付税をもらう自治体の順位が、極めて固定的で、一向に改善されないことでしょう。
大阪府の橋本知事が、平井鳥取県知事に「県議会議員の数を減らしたらいかがか?」と投げかけた問題は、「よけいなお世話」ではなく、平井知事は、国民に対してしっかりと説明をしなければならない問題でしょう。

総務省出身者を選び続ける鳥取県民の選択

総務省出身者を知事に選び続ける鳥取県は、どういう状況(県勢)にあるのか。 この20年間で、人口は2万6000人減っている。 この5年もの間、毎年10,000人ずつ人口を減らしている岩手県や福島県に比べれば健闘しているということだろうか?

私が人口に拘るのは理由がある。 県内総生産などの指標もあるが、これは、国から補助金を獲得し、公共事業として穴を掘れば改善されてしまう。 つまるところ、特に主要な産業がない道府県であればあるほど、国に付随すればするほど、改善しやすい数字であることからすると余り注目に値しない。

結局、良い県政をすれば雇用が生まれ、人が集まり、結果として県内総生産があがる、というのが理想の姿だ。 だからまず、人口動向に注目している。



片山善博 知事
H11(1999) 613,762人
H12(2000) 613,289
H13(2001) 613,046
H14(2002) 612,353
H15(2003) 610,918
H16(2004) 609,650
H17(2005) 607,012
H18(2006) 603,987
H19(2007) 599,830人
平井伸治知事
H20(2008) 594,915人
H21(2009) 591,150
H22(2010) 587,772人

Saturday, May 28, 2011

鳥取県の地方交付税交付金

大阪府の議員定数削減を目指す橋本大阪府知事が、「鳥取県の議員定数だって多すぎる」と発言。 「余計なお世話」と反論する平井鳥取県知事に対し、再び、橋本知事が「鳥取県は、地方交付税を受けっとっているので、物は言わせてもらう。地方自治だといって、口を出させないというのはおかしい」と再反論した。

結果は、橋本知事が「暴走でした」と謝って、議論は広がりを見せなかったが、さて、実際のところ、鳥取県の財政は、というと以下のよう。

(歳入)
        H15年決算    H23年度当初予算 
地方交付税   1,738億円     1,610億円
国庫補助金等   126億円       72億円
県税       477億円       425億円
        2,341億円     2,107億円

となっている。 鳥取県の税収は20%にしかならない。

歳入と歳出は単年度で合致するのが原則だから、福島県が行っている事業の80%は
他県の個人又は法人が負担していることになる。

年収200万円の人が、年間1000万円の生活をしている、ということだ。そうでないと、生活が成り立たないので、800万円補助してください、という構図になっている。

橋本大阪府知事は、歳出を減らして、自立した地方財政を確立するためにも、「大阪府の議員定数を見直しましょう。人口10万人あたり、(議員)1人でいいんじゃないかと。鳥取なんかだと、60万人ぐらいの 人口のところで、四十何人とかいるんですかね。確か(県議会)議員がね。6人でいいんですよ、鳥取の県議会議員なんて府民10万人に1人、議員がいれば充分。この論理でいえば、鳥取県は、6人の議員で足りる」と主張していた訳だ。

しっかり、努力している人が、努力していない人に対して、「同じように努力しろよ」というのは悪い話しではない。

地方自治体は、「地方の自治」という美名にかくれて、きちんと業績比較をしないので、甘えの構造が温存されてしまうことになっている。

東電発表による「今までの放射能汚染水流出量のまとめ」

◆ 4月1日~6日に2号機の取水口(ピット)付近から流出した高濃度汚染水
  流出量;  500トン 放射線量:47,000,000億テラベクレル
◆ 4月4~10日の緊急放出
  流出量:1万393トン 放射線量;   1,500億ベクレル
◆ 5月10日~11日の3号機の取水口付近からの流出
  流出量:  250トン 放射線量;  200,000億ベクレル 

5月10日の事故だけでも、年間許容放出量の100倍だという。 

これに、従来、陸にあった放射能物質が、どんどん海に流入ていくことを考えると、
定期的なモニタリングとしっかりした拡散防止対策は、必須だと思う。

汚染水流出まで、あと45cm?? 台風は本土を通過するのか? 

雨が降っています。 台風が来ているそうです。日本は、海に囲まれていて雨の多い国ですが、
これから、梅雨や台風のシーズンが到来します。

今、放射能に汚染された土壌の入れ替えなどが騒がれていますが、この雨による放射能汚染物質が海に流れ出る可能性にメディアは余りにも無頓着だったように思います。
当たり前ですが雨が降れば、雨水は地下水や川に流れ出て、海に流れだしていきます。

ところが、海の汚染状況の観測は、非常に手薄で殆どなされていません。 陸の上ならば、沢山の機関が様々な測定をして公表していますが、海の上は、意識的に実施しない限り、測定を実施できません。 魚などの海産物についても、国は非常に消極的で、きちんとした定期的測定をしていません。 益々、汚染濃度が高くなっていく海洋汚染を測定していなくて、どうして安全と言えるのでしょうか?

更に悪いことに、福島原子力発電所では、1号機~3号機を冷却するため、今でも水を注入しています。冷却に使われた水は、高濃度の汚染水として、専用貯水施設に移送されていましたが、既に満杯になって、そのまま、漏れ出して溜まっている「タービン建屋」や「トレンチ」に放置されています。(東電は保管と言っていますが、元々保管用に設営された施設ではないのに、どうして漏水がないと言えるでしょう。 だからなすすべく放置が適切かと。)

そのトレンチの水位が上がり続け、あと45cmで、溢れ出す状況になっています。
果たして、漏れ出さないか極めて危険な状況です。

又、移送を中止した事により、水位が低下した3号機の専用貯水施設についても、既に汚染水が漏れ出していたことが判明しています。(たまたま施設の通路に溢れ出していて、直接、土壌には流れ出ていないようですが、、)

非常に危険な状況ですから、しっかりとした海洋の汚染状況調査を実施してもらいたいところです。

Wednesday, May 25, 2011

2号機、3号機の高濃度汚染水、移送を中断 ー タービン建屋に放置

5月23日 日経新聞が
「東京電力は23日、東京電力福島第1原子力発電所2、3号機から出る高濃度の放射性物質を含む汚染水の移送を月内にも中断するとの見通しを明らかにした。移送先の施設が数日で満杯になるため、当面はタービン建屋などに残す。汚染水を浄化して再利用する装置の稼働は当初予定よりも約半月遅れて6月中旬になる見通しで、海や地下水の汚染が懸念される。

高濃度汚染水はフランスのアレバ社の除染装置などで浄化し、冷却水として再び原子炉に戻す計画。しかし装置の建設は遅れており、取り除いた汚染物質の最終的な処理法も決着していない。

1~3号機の原子炉には毎日、計約670トンを注水している。蒸発量を引いた約530トンが高濃度汚染水として漏出、タービン建屋地下やトレンチにたまっているとみられる。1万トンの保管容量があるタンクも計画しているが、設置は7月の予定。汚染水対策は綱渡りの状態が続く。」と報道していた。

そして本日、とうとう、移送を中止したことを発表した。 従って、高濃度汚染水はタービン建屋やトレンチ保管することとした、と表現されているが、これは、「タービン建屋やトレンチ**放置**することとした」が正しいだろう。

海洋に汚染が拡散することが強く懸念される。

海洋に流れ出た場合、日本は災害被災国から、原子力汚染加害国に立場が変わってしまう。

海洋の汚染については
4月4日~9日に、意図的に低濃度とされる汚染水を海洋に放出して、近隣諸国から大ヒンシュクをかったところだが、その後、4月11日には、3号機ピッチから汚染水が流出されていることがみつかった。 東電の発表も、それをそのまま垂れ流すマスコミも、ことさらに累積した影響を報じないが、今度は、本当に危ないのではないか?

タービン建屋は、そもそも貯水する為に作られている建屋ではないし、汚染水が漏れ出さない保証はどこにもない。というか、漏れ出さないと考える方が不思議だ。

4月11日の汚染水流出事故以降、海洋で放射能物質が拡散されるのを防ぐ対策がとられているはずだが、それが、一向に報道されない。

本当に日本近海の海が汚染されてしまえば、それは被災した東日本の漁業の復興にも大きな痛手となる。

事は重大だ。

村井 宮城県知事 首都機能移転を国に要請

宮城県は震災復興計画の策定に向け有識者会議「県震災復興会議」(議長、小宮山宏・三菱総合研究所理事長)を発足。同会議委員の寺島実郎・日本総合研究所理事長は「副首都機能を東北に作ることが将来の日本を考えると重要」と発言していた。村井嘉浩知事も政府の復興構想会議などで「首都圏から近い東北に国の災害対策本部などを代替する拠点を設ける必要がある」と訴えていた。

毎日新聞
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110525ddm002040037000c.html

いや、私としては、災害対策本部などのような一部の臨時的な機能’だけ’ではなくて、常時機能している機関を移転してもらいたいと思う。

首都機能移転は、古くから議論しているのに、ちっとも前進してこなかったが、こういう異常事態を受けて、大きな資本を投下して社会基盤を再検討しようというのであれば、当然、東北地方に限らない社会基盤も再検討されて良い、と思う。

村井知事、寺島さんに期待しましょう。。

Tuesday, May 24, 2011

復興に向けた一歩には共通のビジョンを - 米国ボストンをモデルに

5月23日福島県で「県地域経済対策連絡会議」が開かれた。今後の復興にむけて様々な意見を集めて、今後の復興ビジョンへと集約していく一歩となるようです。

今回の災害はよく阪神淡路大震災と比較されますが、実は決定的に違うところがあります。
それは「阪神淡路大震災」で被災した神戸市、芦屋市、明石市ではしっかりとした経済基盤があって、復興に際しては、兎に角、早く元に戻せば再び成長にのれる、という確固たる道筋が見えていたことです。

ところが、今回の東北地方大震災で大きな被害を受けた三県(福島、宮城、岩手)は、依るべき大きな基幹産業がなく、震災の前から経済の自立、人口減少に悩んでいる地域でした。
(それをいうと、大都市圏以外の殆どの地方が同じ状況ですが。詳細、5月6日の記事を)

ですから、今後の復興に向けて、多額の税金をつぎ込む以上、ぜひ、日本の将来を担うような地域の基盤を確立できるような復興をしてもらいたいと思っています。
(被災されて苦労されているのですから、皆がうらやむような暮らしを是非、構築して頂きたいと思います。)

これから復興に向けて様々な意見がでてくると思いますが、一つの参考になるのでは、と思われるのが、メジャーリーガーの松坂、岡島が所属するボストン・レッドソックスが本拠地とする米国ボストン市です。

とても美しく、歴史のある街である事はもちろん、なんと言っても、この米国不況の中でも
市政は上手くいっていて、人口も
 1980年 562,994人
 1990年 574,283人
 2000年 589,141人
 2010年 617,594人
と増加しています。

ボストン市には、美しいチャールス河を中心に、MIT(マサチューセッツ工科大学)やHarvard大学、Boston大学等、多数の学術機関があります。又、同市に本社を置く有数の金融機関も多く、市の財政基盤を支えています。 それ以外にも、漁業や観光事業もあり、バラエティー豊かな産業構造になっています。

気候的にも東北地方にも非常によく似ている、歴史と現在が上手に共存しているボストン市を、復興に際して研究してみる価値は、充分あるでしょう。

Saturday, May 21, 2011

原発交付金の為に止められない原子力発電

浜岡原発をとめたことにより、2011年度の関連交付金が27.8億円から17億円に減少。
特に、県の核燃料税の2割を地元に交付している「周辺地域振興対策交付金」が影響を受けた。核燃料税は原子炉への燃料挿入が条件のため、当初見込み額の1億9400万円は、約8割減の3600万円となる。 この交付金は、原発立地市(御前崎市)以外の周辺市(牧之原、掛川、菊川)も対象。

原発立地市(御前崎市)が行う地域振興事業に交付される国の「長期発展対策交付金」は、減額なしの10億7900万円。但し、発電量に応じて支払われるため、影響は次年度以降に。

以上 中日新聞記事に詳しい
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110519/CK2011051902000134.html

御前崎市:人口35,000人、 市民では、1200人が中部電力とその関係会社に勤務。 
一般会計167億円のうち、42.4%が原発関係の交付金に依存。

5月6日、運用中の4号機、5号機を含めた浜岡原発の完全停止を検討していた政府に、静岡県 川勝知事は「従業員はどうなる。交付金が財政を支える自治体はどうなる。点検中の3号機の運転停止だけで国民へのメッセージとしては十分だ。4、5号機を止めたら地元の反発を招く。」同施設に働く人は2800人、4、5号機は来年3月に定期点検に入るので、その時までにどう対策をうつのか、考えれば良い、そう強く信じていたらしい。

これだけ巨額の交付金が出ていて、この交付金を前提に地域経済が成り立っているなら、首長として「急には、止めるに止めれない」というのは理解できる。

Friday, May 20, 2011

原発を巡り揺れる青森県知事選(脱原発の経済効果)

「原子力発電を止めるべきだ」と必ずしも地方自治体から声が上がらないのは、原発による収入に自治体が依存しているからだ。

知事選が予定されている青森県でも、民主党候補、自民党候補とも、この問題には歯切れが悪いようだ。
(毎日新聞記事:

「81~2009年度、国から県内の自治体が受け取った電源三法交付金は約2000億円。原子力事業者が納める核燃税は今年度156億円に上り、県税収入の13%を占める原子力依存県だ。」
とある。 実際に、この税収をなくしてしまう訳にはいかない。

自民党候補は、今まで原発を推進してきた立場だけに抜本的見直しには言及せず、県独自の安全評価・管理体制の導入を訴えている、という。

民主党候補は、新規建設凍結を主張しているらしい。
この見直しでも、建設時の雇用創出を含む経済効果、新しく生まれる固定資産税などを諦めることになる。この税収は、売電による税収と匹敵すると言われている。 新規凍結だけでも、経済的効果は非常に大きい。

他の候補は、原発を廃止し、自然エネルギーの開発、代替を主張しているらしいが、現状では、他技術では、技術自体が未成熟でもあり、交付金制度も未整備であり、脱原発の地方経済にあたえる影響をそのまま受けることになる。

難しい選択を迫られている。

Wednesday, May 18, 2011

原発補償を巡る菅総理の発言

5月14日
福島・浪江町の吉田町議会議長らと首相官邸で会談した際、吉田議長が、福島第1原発事故の補償は、東京電力はもとより、国の責任で全額補償することなどを求めたのに対し、菅総理は、「お金がないから支援ができないというのは、絶対に避ける」と応じた、と報道されています。

こういった席での発言は難しいのだが、管総理は、どこまで補償をするつもりなのだろうか?
昨年12月にも、「財源の定かではない5%法人税減税は不可能」とする野田財務大臣を押し切って、管総理の独断で5%減税を公約してしまった。

兎に角、管総理はばら撒きが好きで、こういう決断は単独でやります。 民主党内でも議論しないで、平気で世間に公表してしまうスタンドプレー好き。

本来なら、それと同時に、歳出はここを減らします、ということを示さなくてはいけないのに、そういう発言は一切ない。 兎に角、財政をとことん悪化させて既成事実化し、最後は「増税しなければい」と国民の合意(諦め)を引き出そうとしか思えない。。。。

こんなリーダーで良いのだろうか。

それにしても岩手県選出の小沢元代表。 管降ろしにバカリに拘って、一向に建設的な意見を出さない。 政府批判ばかり。。。策士、政局士。 本当に感じが悪い。

【オピニオン】原子力発電と戦艦大和

戦艦大和をどう思われますか? 役にたたなかった? 時代遅れの象徴? 敗戦の原因?
国家の存亡をかけて、莫大な国費を投入して建造した世界最大の戦艦。 ところが、太平洋戦争で殆ど成果を残せないまま、最後の沖縄への悲壮な特攻の為に沈んでしまった悲劇の戦艦。
この戦艦を日本の先見性のなさ、とイメージしている人は多いのではないでしょうか?

戦艦大和の建造は、1937年に始まりました。 設計思想は、工業生産力、資源小国の日本としては合理的でした。

近代戦争では戦艦同志の戦闘の勝敗で制海権が決定されましたから、「敵の戦艦の大砲が届かない距離から、こちらが一方的に大砲を撃って相手を沈める。そうすれば戦艦を多く保有していあなくても戦争にかてる。その為に、大きな戦艦をつくる」ということです。

太平洋と大西洋の2つの大洋を移動しなければならない仮想敵国、アメリカの艦船には、一つの制約がありました。それは、太平洋と大西洋に各々独立した海軍をもつ事は経済的に許されないアメリカの艦船は、必ずパナマ運河を通れて両大洋で運用できなければいけない、ということでした。パナマ運河を通過できる船の最大船腹は、32Mです。

大口径の大砲を搭載するには、横揺れで転覆しないように、艦船には相応の全幅が必要で、結局アメリカ軍は、32M以上の全幅を必要とする大砲を戦艦に搭載できない。

そう考えて、大和は全幅45M、 主砲46Cmを9門搭載し、最大42Km離れた敵艦を撃沈する、とう世界最大のものでした。 この主砲を実戦で安全に運用できるよう、様々な日本独自の技術や設計思想が盛り込まれました。又、船底に隔壁をいくつも作り、魚雷があたっても沈没しない戦艦として設計されました。(不沈空母)これにより、相手戦艦の大砲の射程距離外から、大和は一方的に攻撃できる筈でした。

ところが、実際には航空機の技術進歩が目覚ましく、戦艦は航空機によって沈められてしまう、とということが皮肉にも日本軍によって証明されてしまったのです。(真珠湾奇襲や英国戦艦、プリンス・オブ・ウェールズやレパルスの撃沈)

ただ、海戦当時、誰も(アメリカ軍も、イギリス軍も日本軍も)航空機で艦隊を組む戦艦を撃沈できるとは、運用も含めて考えていませんでした。そして、これ以降、各国は航空機、及び航空母艦を必至になって建造する訳です。

日本軍も急きょ、開戦前の1941年11月には、戦艦をつくるのをやめ、潜水艦、航空機を優先して生産する事を決定、大和、武蔵に次ぐ第三番戦艦として建設されていた「信濃」を設計変更して、戦艦から航空母艦に変更。その他、とにかく、航空母艦の建設、他艦船の改造を試みるのですが、結局、戦争中に建設できた空母は数隻のみでした。

一方で、生産力の勝る米国は、1年で50隻の航空母艦を建設できた米軍と比べるべきもありませんでした。

結局、開戦前に設計、建造開始された戦艦大和は戦争末期、魚雷十数発、爆弾数十発を被弾し、2時間で沈没することになりました。ただ、最後の作戦でも、不沈艦として導入した技術力の効果は発揮され、最後の作戦に参加されて生き残った乗組員の方も「最初に魚雷を受けて傾いた艦が、しばらくたつと水平に戻っていく、ああ、この船は本当に不沈艦なのだと思った。」と証言されています。 これは、水平を保つために浸水した逆側の船底に自動注水する機構が働いたためで、この為、ある程度までの被弾をしても、航行速度、操舵、各砲の使用が継続できるように設計されていた為です。この意味でも、技術的には最高技術の戦艦であったと評価してもよいと思います。


長くなりましたが、原子力発電も同じです。 オイルショックによる苦い経験をした、石油資源をもたない日本が、最新の技術で脱石油依存を目指して原子力発電を推進してきた事は、現在の技術力を考えると妥当であったと思います。(その意味で、スケープゴートのように電力会社や原子力推進の全否定をする発言は、どうかと思います。)

検証されるべきは、果たして原子力の安全基準を適切に改訂し、相応の対策を打ってきたのか?
という事でしょう。そして、適切な対策を打つことによって、どの程度の安全性を確保できるのか再検証する必要があるでしょう。

その上で、今回のような、不幸にして1000年に一度の大災害もあることを考えると、万一の時にもっと制御しやすい技術を如何に開発していくのか、合理的に判断していく必要があると思います。

コストの安い電力の安定供給は、社会基盤の全てにITを使用している近代国家の基礎です。
あまりに感情的になる事なく、冷静に評価しつつ、次代の技術を作り上げていくべきだと思います。

Saturday, May 14, 2011

浜岡原発での止める(やめる、とめる)の民主党の決断力

民主党は、「止める」というのが得意だ。「八ッ場ダム」を止める、と言って政権を自民党から奪った訳だし、事業仕訳も基本的に今までの非効率な事業を継続させない、という取組み。
菅総理も、昨年12月に「諫早湾水門」を開ける決断をした。 (正確には、開聞を求める福岡地裁の判決を上告しない、と決断したのだが、これも低迷していた支持率を、上向かせたという実績がある。)

賛否両論がある問題について、民主党は「止める」という事を非常に簡単に決断する傾向がある。これは旧来の自民党の下で実行されてきた政策を批判することになるのだから、自民党政権が継続していた場合、このような決断はできなかったかもしれない。

昨日、浜岡原子力発電所の5号機が停止され、これで同施設の原子さ力発電が停止された。 もちろん、これも管総理大臣からの異例の要請を受けて、中部電力が決断したものだ。

この首相の要請について、再び政治家としての管総理の決断力を評価する声が多い。ソフトバンクの孫社長や、橋本大阪府知事も、「政治家にしかできない決断」と評価している。


しかし一方で、原発の停止による電力不足をどうするのか。特に、東日本に廻せる余力がなくなったとされるが、どういう検討がなされているのか?地域経済に与える影響を、どのように最小化するのか、こういった道筋が全く見えていない。(いや、どのような影響があるのか、本当に検討したのかすらも定かではない。)

経団連会長などからは、「思考過程がブラックボックス。停止後の影響や対策について検討された様子が全く見えない」と批判されている。

単に「止める」という決断がリーダーシップとして評価するのは間違いである、というのは、八ッ場ダムや諫早湾のその後の混乱を見れば明らかだろう。 止めた時の影響を把握し明らかにした上で決断したのでないなら、そのような決断は誰にでもできる。 本当のリーダーシップとは、止めた事による想定される影響を皆に説明し、影響の最小化に向けて皆の力を結集できることを言うのだろう。

原発の是非は、しばらく議論されることになるので、総理(政府)が本当の意味でのリーダー
シップを発揮することができるか、これから真価が問われることになる。

Sunday, May 8, 2011

読書:The Tipping Point



長いGWだったので、気になっていた'The Tipping Point'を読んだ。よく空港などの書店で売っているPaperBackでも買える本だが、2000年に発売以降、今でも全米ベスト20に毎週のっている超ミリオンセラーの本だ。そして、とても面白かった。

この本は、1990年ごろ、爆発的に売れ始めたHush Puppyという靴の話から始まる。
HushPuppyは1958年に設立された古い靴メーカーだったが、1990年までには売上が落ち続け、年に430,000足しか販売できないようになっていた。 残念ながら、最早、廃業の時だと、創業者は思っていた。

ところが、1994年に変化が現れた。 HushPuppyの靴は、古いパパ-ママショップの小さな小売店にしかおいていなかったのが、突然、売れ始めたのだ。 最初は、少しづつ。 ところが、直ぐに、有名なファッションデザイナーや雑誌の編集者からも直接、本社に問い合わせが入るようになった。 HushPuppy社の経営幹部は、一体何が起こっているのかさっぱり分からなかった。結局、1995年には1年で売上が4倍になった。 そして、何が起こったのか分からないまま、会社はファッション業界で、数々の賞を受賞しながら、再びファッションブランドへと復活することになったのである。

メーカー自身も何が起こっているのか分からないうちに、爆発的に商品が流行する。それは、完全に、口コミ(Word Of Mouth)のお蔭だったのだが、デザインも流通も何も変えていなのに、では、どうしてそんなことが起こったのか? 何が、口コミを起こすきっかけだったのか。そして、どれくらいの人が、どんなように振る舞うと、物や現象はTIPして(臨界点に達して)、突然、爆発的な広がりを見せるのか。 同じメッセージでも、情報の伝達ルートが違うと、途中でメッセージさえ消えてなくなってしまうことがある。 その違いは何か?

この本は、様々な事例を引用しながら、物事(商品や事象など)が社会的なブームとなるのか、その仕組みを分析している。


こういう仕組みを理解していると、TwitterやFacebookなどSNSが、もっと有効なマーケティングツールとして利用できるかも知れない。

★★★★:星4つ。 読んでとても面白い本だと思った。

Friday, May 6, 2011

復興に取り組む各県知事

最も被害の大きかった東北3県、岩手、宮城、福島。予算もつき、これから正に仮設住宅の建設などが開始され、復興に向けて踏み出す事になる。

こういった時に、重要になってくるのが、県知事のリーダーシップである。各被災市町村の状況を的確に把握し、国とのパイプ役になって、地域復興を確実に実現していかなくてはならない。また一方で、単に元あった状況に戻すだけではなく、将来を見据えて地域社会が持続的に発展できるような枠組みも作り直さなくてはいけない。(3県とも、県外流出人口が超過している県なのだから、もとに戻すだけでは、持続的発展は望めない)

本当の意味で、将来も永続可能な地域社会を構築する為には、時に、単に震災前の状況に戻りたいと思う被災された人たちを説得しなければならない場面も出てくるであろう。

重要な立場になるが、どういった人が現職なのか、ここで少しだけ見ておくことにしたい。

1.岩手県知事(1期目)
  氏名:達増 卓也 47才(1964年6月生まれ)
  略歴:岩手県盛岡市出身
     1988年 東京大学法学部卒後、外務省入省
     1996年 衆議院議員当選
     2008年 岩手県知事就任
  人口:過去5年間 毎年1万人の県人口が減っている。内訳は
     自然減(死亡数-出生数)で約5,000人/年 減少
     転出入(転入数-転出数)で約5,000人/年 減少
     国勢調査によるとH17年の県総人口は138万5,041人なので、
     過去5年間の結果、震災前県総人口は135万人程度になっていると思われる。
      
2.宮城県知事(2期目)
  氏名:村井 嘉浩 50才(1960年8月生まれ)
  略歴:大阪府豊中市 出身
     1984年 防衛大学卒業、同年9月より
         東北方面航空隊(仙台市・霞目駐屯地)に着任
     1992年 松下政経入塾
     1995年 宮城県議会 議員
     2005年 宮城県知事就任
  人口:2005年 2,360,218人
     2006年 2,354,992人
     2007年 2,348,999人
     2008年 2,343,767人
     2009年 2,340,029人
     毎年 3,000人~5,000人の範囲で人口が減少している。
     2010年~2011年の調査では、2,000人が転出超(転出数ー転入数)
     となっている。

3.福島県知事(2期目)
  指名:佐藤 雄平 63才(1947年12月生まれ)
  略歴:福島県南会津郡 出身
     神奈川大学卒業後、叔父にあたる渡部恒三衆議院議員(のち衆議院副議長)の秘書
     1998年 参議院議員 当選
     2006年 福島県知事就任
  人口:2005年 2,091,319人
     2006年 2,080,186人
     2007年 2,068,352人
     2008年 2,055,496人
     2009年 2,042,816人
     毎年 11,000人~12,000人の範囲で人口が減少している。
     この内、県外転出入による人口増減は、
     2004年、2005年が6,000人減 2006年が7,000人、2007年、2008年が8,000人減
     となり、県外に移転する人が超過することによる人口減が増加する傾向にある。

今のところ、知事就任以降、県内産業を豊かにし県民人口を増加させることができた知事は一人もいないが、未曽有の危機からの復興を目指して、彼らのリーダーシップに注目していきたい。

4兆152億円の補正予算の内訳:復興財源と政治家

少し旧聞になるが、2011年5月3日に、2011年度補正予算が参院で可決されて成立した。
4兆512億円が復興支援の財源として使われることとなる。

内訳は、
1.災害救助等関係経費  4,829億円
 (うち、予備費も合わせて10万戸の仮設住宅建設:3,626億円)
2.災害廃棄物処理事業  3,519億円
3.災害対応工業事業費 1兆2,019億円
 (うち、公共土木施設(河川・海岸・道路・港湾・漁港・下水道等) 8,235億円)
4.施設費災害復旧費  4,160億円
 (うち、学校施設等 2,171億円)
5.災害関係融資関連経費 6,407億円
6. 地方交付税交付金 1,200億円
7.その他震災関係経費  8,018億円
 (うち、自衛隊・消防・警察・海上保安庁活動経費等 2,593億円)

復興費は全部で15兆円とも20兆円とも言われている中で、この補正予算は、緊急を要するとの判断から、自民党谷垣総裁も認める通り、ほとんど審議もされることなく成立している。

これだけ巨額の予算は、公共投資を削減され続けていた土木関連業界にとって、慈雨となる事は間違いない。 又、国庫による支出の時には政治家が暗躍したりもする。日本の政治家は支出する時は活躍するが、歳出を削減する事が極めて苦手である。

適正に、効率的に執行されるか、注意してよく見ていく事も必要だと思う。

Sunday, May 1, 2011

福島原発に「決死隊」を求める民主党の狂気:

民主党の小沢一郎衆議院議員(岩手4区)氏は昨日、福島原発は、「原発は安定していない。爆発しないようにしているだけで放射線を垂れ流している。根本的な対策を取らなければ大変なことになる。決死隊を送り込んで完全に押さえ込まなければならない。政治が決断することだ」と発言したと複数のメディアが伝えている。

決死隊とは、何だろうか? 高い放射線が確認されている現場に、作業員を送り込んで、人命をとして作業を強制することだろうか? 政治が決断して、いやがる人に無理やりやらせるつもりだろうか。 とんでもない発言だ。 今、必至で頑張って現場で作業している人たちに、これ以上何を求めるのか?

小沢氏だけではない。実は、民主党の幹部はこの種の発言を何度も繰り返している。

3月15日 管総理は、「(原発対応は)あなたたちしかいないでしょう。(原発からの)撤退などあり得ない。覚悟を決めてください。撤退したときは東電は100%潰れる」とまくし立てた。と報道されている。この時は、水素爆発などがあった直後で、何が起こるか分からない状況にあり、東電が作業員の「一時退避」を求めた際に、首相が東電に乗り込んで、やみくもに、作業の継続を求めた発言だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110317-OYT1T00148.htm

3月21日 海江田万経産相(東京1区)は、決死の放水作業の準備中だった東京消防庁のレスキュー隊員に、「速やかにやらないと処分する」と恫喝した問題で、石原都知事に陳謝している。
http://www.news24.jp/articles/2011/03/22/06179135.html

こういう発言が繰り返されるのを見ると、如何に民主党の幹部クラスが、人命を軽視しているかがわかる。(又は、政権与党にいる議員としての自覚が如何に足りないかを示している。)

原発の問題解決の為には、効率的な放射能除去技術や、ロボットの早期投入などにより、無人で運用できるようにする対策が必要だと指摘されているが、この問題は東電に任せっきりだ。
しかし、こういう新しい技術の評価、投入計画の策定は、限られた東電のリソースだけで解決できる問題ではない。 もう大分前から指摘されているが、遅々として準備作業が進まないことを残念に思っている。

福島原発の安定化については、こういった東電だけで解決できない問題に、資源を集中投入できる枠組みを作ることが、国策として原発を推進してきた政府の責任だし、こういった問題で一向に政府のイニシアティブが見えないのが、非常に残念だ。

間違っても、現場作業員の人命を犠牲にするような指示を出すのが、政治の判断ではないことを認識すべきだ。 そこに想いが至らない政治家が、政治の意思決定の中心にいることは極めて危険だ。

Monday, April 25, 2011

国産ロボットと福島原発

前回のUPに引き続きロボットねたを。

NPO法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)は4月24日、記者会見を開き、東日本大震災におけるIRSの活動報告と、福島第一原発の事故対応への投入を目標として改造したレスキューロボット・システムの発表を行なった。

報道されている。

日本は原子力発電のシステムを官民挙げて他国に売り込もうとしいた。 ところが、本当の非常事態が起こった時に、日本だけの技術では実は問題を解決できない、という事が福島原発の事故で世界中に配信されてしまった。

今回IRSがリポートしているような可能性のあるロボットが沢山ある。 ぜひ、問題解決に役立ててもらいたいと思う。

Friday, April 22, 2011

周辺技術: 原子力発電と旧日本軍は似ている

あまりにも阿川弘之の「山本五十六」が面白かったので、引き続き同著「米内光政」を読んだ。
こちらは、面白いというよりも、色々と考えさせられる事が書いてあった。

その一つに、日本軍(陸軍、海軍とも)は「ブルドーザー」を持たなかった、と書いてある。研究はすることになっていたが、結局、生産できなかった、と。

一方、米軍は持っていて、占領したガダルカナルなどに、一夜にして本格的航空基地を建設してしまう。 (この基地が、劣勢だった米軍の本格的は反抗開始の重要拠点になるのは、ご承知の通りだが。)

映画「硫黄島からの手紙」では、硫黄島での日本軍の描写が、ストーリーテラーの重要な役柄である西郷一等兵(二宮和也)の妻、花子(裕木奈江)への手紙、「花子、俺は毎日、毎日、土を掘っている。」というセリフで始まるが、人の手とスコップで陣地構築をするでは、結局、加速する米軍の本土進攻に間に合わない、という事になる。

軍隊は戦闘集団なので、航空機や艦隊の艦船は開発するが、目的を達成する為の周辺技術には、殆ど開発しない、興味もない、ということになる。

今回の福島原発でも、結局、万が一の故障時の対応に必要な運用技術(無人操作ロボットや放射線中和技術)は自国では対応できず、結局、米国やフランスに頼らざるを得なかった、ということで、技術集積の浅さが露呈してしまった。 今回のような深刻度の高い原子力事故は初めてではない。 1999年にも、JCOの臨界事故で、正に放射能汚染濃度の高いエリアで、人が危険を冒して作業をする、という事態が発生した。 この経験から、一度は高放射能エリアでも稼働できるロボットの開発が進められようとしたが、結局、絶対安全の原子力発電に必要ない、ということで開発中止となってしまった。

日本の技術開発は、それぞれウニみたいで、針みたいに突出しているものもあるが、全体を見据えて、ボールのように丸く総合的に開発されていかない、という指摘がある。

・旧日本軍であれば、「戦闘」にではなく、「戦争」に勝つ為に必要な総合技術であり、
・原子力発電であれば、効率的で安全な「原子力施設内の設計」だけではなく、万一を想定した「危機管理」の為の技術開発

が必要だった、ということだろうか。 何れにしても、なかなか日本という国は変わらないものである。

Friday, April 15, 2011

リーダーシップとは:山本 五十六



山本五十六という人を知っているでしょうか? もう、知らない人の方が多いかもしれませんね。
この本は、以前、週刊文春で「阿川寛之と阿川佐和子の親子対談」があって、その内容が面白かったので読んでみたのですが、
非常に面白かったです。

山本五十六(いそろく、と読む)は、太平洋戦争の時、海軍大将で連合艦隊の司令長官だった人です。
この人の人生で、有名なのは、
*海軍省の次官として、日米開戦に反対していたこと
(どうしても、と言われれば、最初1年は暴れてみせるが、その後は、確証がもてないと言っていた事は有名)
*連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を成功させたこと

いわば、前半は経営企画室 室長として、大臣(役員相当)を補佐して、主張を展開し、海軍にこの人あり、という声望を獲得し、後半は、事業部長として、並みいる反対論を押し切り、次々と新機軸を打ち出して成功していく訳です。
(戦艦という今までの、主力製品から、航空機という新しい製品に切り替えていくわけです。)

結果を知っている今では、どちらも正しい主張だったと分かる訳ですが、当時は、反対する人、彼の主張が信じられない人が沢山いたわけで、理解者と反対者に、それぞれどう対応していたのか、等、この本はその当時の時代の雰囲気を、とても詳しく伝えてくれます。

勿論、失敗も沢山しているわけで(例えば、ミッドウェー海戦などで連合艦隊の主力空母を壊滅させている)すが、今、日本全体が新機軸を生み出す事が求められている中で、当時のリーダーシップが、どういうものであったのかを読んでみるのは、とても面白く参考になるものでした。

ということで、お勧め度
星4つ☆☆☆☆です。

Wednesday, April 6, 2011

はじめまして

別のBlogを作っていましたが、今日から、こちらに引越しすることにしました。
日本語ですが、よろしくお願いします。