民主党の小沢一郎衆議院議員(岩手4区)氏は昨日、福島原発は、「原発は安定していない。爆発しないようにしているだけで放射線を垂れ流している。根本的な対策を取らなければ大変なことになる。決死隊を送り込んで完全に押さえ込まなければならない。政治が決断することだ」と発言したと複数のメディアが伝えている。
決死隊とは、何だろうか? 高い放射線が確認されている現場に、作業員を送り込んで、人命をとして作業を強制することだろうか? 政治が決断して、いやがる人に無理やりやらせるつもりだろうか。 とんでもない発言だ。 今、必至で頑張って現場で作業している人たちに、これ以上何を求めるのか?
小沢氏だけではない。実は、民主党の幹部はこの種の発言を何度も繰り返している。
3月15日 管総理は、「(原発対応は)あなたたちしかいないでしょう。(原発からの)撤退などあり得ない。覚悟を決めてください。撤退したときは東電は100%潰れる」とまくし立てた。と報道されている。この時は、水素爆発などがあった直後で、何が起こるか分からない状況にあり、東電が作業員の「一時退避」を求めた際に、首相が東電に乗り込んで、やみくもに、作業の継続を求めた発言だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110317-OYT1T00148.htm
3月21日 海江田万経産相(東京1区)は、決死の放水作業の準備中だった東京消防庁のレスキュー隊員に、「速やかにやらないと処分する」と恫喝した問題で、石原都知事に陳謝している。
http://www.news24.jp/articles/2011/03/22/06179135.html
こういう発言が繰り返されるのを見ると、如何に民主党の幹部クラスが、人命を軽視しているかがわかる。(又は、政権与党にいる議員としての自覚が如何に足りないかを示している。)
原発の問題解決の為には、効率的な放射能除去技術や、ロボットの早期投入などにより、無人で運用できるようにする対策が必要だと指摘されているが、この問題は東電に任せっきりだ。
しかし、こういう新しい技術の評価、投入計画の策定は、限られた東電のリソースだけで解決できる問題ではない。 もう大分前から指摘されているが、遅々として準備作業が進まないことを残念に思っている。
福島原発の安定化については、こういった東電だけで解決できない問題に、資源を集中投入できる枠組みを作ることが、国策として原発を推進してきた政府の責任だし、こういった問題で一向に政府のイニシアティブが見えないのが、非常に残念だ。
間違っても、現場作業員の人命を犠牲にするような指示を出すのが、政治の判断ではないことを認識すべきだ。 そこに想いが至らない政治家が、政治の意思決定の中心にいることは極めて危険だ。
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