民主党は、「止める」というのが得意だ。「八ッ場ダム」を止める、と言って政権を自民党から奪った訳だし、事業仕訳も基本的に今までの非効率な事業を継続させない、という取組み。
菅総理も、昨年12月に「諫早湾水門」を開ける決断をした。 (正確には、開聞を求める福岡地裁の判決を上告しない、と決断したのだが、これも低迷していた支持率を、上向かせたという実績がある。)
賛否両論がある問題について、民主党は「止める」という事を非常に簡単に決断する傾向がある。これは旧来の自民党の下で実行されてきた政策を批判することになるのだから、自民党政権が継続していた場合、このような決断はできなかったかもしれない。
昨日、浜岡原子力発電所の5号機が停止され、これで同施設の原子さ力発電が停止された。 もちろん、これも管総理大臣からの異例の要請を受けて、中部電力が決断したものだ。
この首相の要請について、再び政治家としての管総理の決断力を評価する声が多い。ソフトバンクの孫社長や、橋本大阪府知事も、「政治家にしかできない決断」と評価している。
しかし一方で、原発の停止による電力不足をどうするのか。特に、東日本に廻せる余力がなくなったとされるが、どういう検討がなされているのか?地域経済に与える影響を、どのように最小化するのか、こういった道筋が全く見えていない。(いや、どのような影響があるのか、本当に検討したのかすらも定かではない。)
経団連会長などからは、「思考過程がブラックボックス。停止後の影響や対策について検討された様子が全く見えない」と批判されている。
単に「止める」という決断がリーダーシップとして評価するのは間違いである、というのは、八ッ場ダムや諫早湾のその後の混乱を見れば明らかだろう。 止めた時の影響を把握し明らかにした上で決断したのでないなら、そのような決断は誰にでもできる。 本当のリーダーシップとは、止めた事による想定される影響を皆に説明し、影響の最小化に向けて皆の力を結集できることを言うのだろう。
原発の是非は、しばらく議論されることになるので、総理(政府)が本当の意味でのリーダー
シップを発揮することができるか、これから真価が問われることになる。
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