アメリカで生計をたてていくというのは、本当に大変なことだ。
どんな本を読むよりも、この本を読むと本当に実感される。
この本は、子供の頃から、とても裕福で、何の問題もなく名門、Yale大学を卒業し、直ぐにJWTという米国の一流広告代理店に勤めて、Executivにまで上り詰めた著者(Michael Gates Gill) が、ある日、突然、解雇を宣告されるところから始まる。
I recieved a call from young Linda White, a senior JWT executive. 'Let's have breakfast tomorrow." came her directive. Those aren't good words to hear from a colleague. I liked Linda. A few years earlier, I had convinced the the old boy network that we needed an intelligent young woman. Linda had done well, and I had helped get her on the Board of Directors. The only woman on the board. In fact, Linda was now president, having passed me in the corporate hierarchy....
On the morning of our breakfast, Linda showed up late. Another bad sign. In corporate America, the higher your status, the tardier you are.
'Michael' Linda said. 'I have some bad news.' By the time you got to a breakfast meeting, outside the office, the deal was done. I knew I was history. 'Michael, we have to let you go.' She pronounced the words robotically.…
I suddenly, desperately realized that I had nowhere to go. For the first time in twenty-five years, I had no clients waiting for me to make sense of a communication campaign. I started walking and found myself crying on the street. It was humiliating. Crying! Me! Yet, at fifty-three, I had just been given a professional death notice.....
こうして、失業してしまったエグゼクティブは、どこに行くか? 朝、起きて外出する必要がなくなると、何か外出する理由を見つけたくなるもので、彼はスポーツジムに通いだす。 ここまでなら、良かったかもしれない。
ところが、そこで、40代の女性と出会い、深い関係になってしまい、子供が生まれてしまう。
I had kept my relationship with her secret, but when my new baby was born, I told my wife. She could not stand it. So, we got an 'amicable' divorce.
それまでの、最愛の4人の子供と妻と家族から離婚され、更には新しい子供の養育費も支払わなくてはいけない。 しかし、解雇された後に始めた個人事業の広告会社も、古い顧客をベースにしていたが、10年という間に、どんどん減っていってく。 電話をかけても、最早誰一人、電話をとってもくれなくなった。
そんな時、脳に腫瘍が見つかって、手術をしなければならないことが分かった。 しかし、保険がないので、手術もできない。 最早、来月の家賃も払えなくなった状況で、このままでは、今の一人暮らしのアパートも追い出されてしまう。 再就職しようにも、年齢から、どこにも雇ってもらえない。
そんな状況で立ち寄ったスターバックスで、思いもよらない声をかけられる。
'Would you like a job?’ それは、若いAfrican-Americanの女性からのものだった。
'Would you be willing to work for me?"
Her invitation to a job had been a kind of joke. I was ambivalent. The whole situation seemed backward to me. In the world I came from, I should have been the one being kind enough, philanthropic enough to offer her a job. ..
This young woman clearly didn't care if I said yes or no to her job offer. How had she gotten to be such a winner? My world had turned updide down.
大学を卒業して一流企業でExecutiveにまでなった白人の男性が、若いAfrican-Americanの女性の下で、Starbucksという、人にServeする仕事をすることが可能なのか?
今でもそうだが、Starbucksで白人の壮年の男性がカウンターで、コーヒーを作ったり、レジを打つ姿というのは、まず見かけない。 スターバックスに限らないが、スーパーで働くのは、学歴のない、African-American, 最近はHispanicと決まっていて、そこには明らかに人種による壁がある。
しかし、最早、寝るところもなくなる著者は、結局スターバックスで働くことになる。そして、最後には、世間から見たら恵まれないパートナーから、こんなポエムをもらうようになる、
Dear Lord please give him,
* A few friends who understand him & remain his friends
* A work to do which has real value, whitout which the world would be poorer
* A mind unafraid to travel, even though the trail be rough
この本を読むと、アメリカ人の仕事感や、人種に対する考え方が、非常に良くわかる。
それは、白人がAfrican-Americanを見る場合もそうだし、African-Americanが白人をどうみているかもわかる。 英語も口語的でわかりやすいので、ぜひ、おすすめしたい一冊だ。
ただ、途中、あまりにスターバックスをほめるので、PRでもしてプロモーションでもしているのではないかと思うが、実は、スターバックスからは、一円であろうと、この本のお蔭で余分に給与が払われた事はないし、昇格した事もない、という。 その代り、これを書いてくれ、とか、こういう事を書いてはいけない、と言われたこともない。そういうところがスターバックスらしくて良い、と著者は言っている。
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