Wednesday, May 18, 2011

原発補償を巡る菅総理の発言

5月14日
福島・浪江町の吉田町議会議長らと首相官邸で会談した際、吉田議長が、福島第1原発事故の補償は、東京電力はもとより、国の責任で全額補償することなどを求めたのに対し、菅総理は、「お金がないから支援ができないというのは、絶対に避ける」と応じた、と報道されています。

こういった席での発言は難しいのだが、管総理は、どこまで補償をするつもりなのだろうか?
昨年12月にも、「財源の定かではない5%法人税減税は不可能」とする野田財務大臣を押し切って、管総理の独断で5%減税を公約してしまった。

兎に角、管総理はばら撒きが好きで、こういう決断は単独でやります。 民主党内でも議論しないで、平気で世間に公表してしまうスタンドプレー好き。

本来なら、それと同時に、歳出はここを減らします、ということを示さなくてはいけないのに、そういう発言は一切ない。 兎に角、財政をとことん悪化させて既成事実化し、最後は「増税しなければい」と国民の合意(諦め)を引き出そうとしか思えない。。。。

こんなリーダーで良いのだろうか。

それにしても岩手県選出の小沢元代表。 管降ろしにバカリに拘って、一向に建設的な意見を出さない。 政府批判ばかり。。。策士、政局士。 本当に感じが悪い。

【オピニオン】原子力発電と戦艦大和

戦艦大和をどう思われますか? 役にたたなかった? 時代遅れの象徴? 敗戦の原因?
国家の存亡をかけて、莫大な国費を投入して建造した世界最大の戦艦。 ところが、太平洋戦争で殆ど成果を残せないまま、最後の沖縄への悲壮な特攻の為に沈んでしまった悲劇の戦艦。
この戦艦を日本の先見性のなさ、とイメージしている人は多いのではないでしょうか?

戦艦大和の建造は、1937年に始まりました。 設計思想は、工業生産力、資源小国の日本としては合理的でした。

近代戦争では戦艦同志の戦闘の勝敗で制海権が決定されましたから、「敵の戦艦の大砲が届かない距離から、こちらが一方的に大砲を撃って相手を沈める。そうすれば戦艦を多く保有していあなくても戦争にかてる。その為に、大きな戦艦をつくる」ということです。

太平洋と大西洋の2つの大洋を移動しなければならない仮想敵国、アメリカの艦船には、一つの制約がありました。それは、太平洋と大西洋に各々独立した海軍をもつ事は経済的に許されないアメリカの艦船は、必ずパナマ運河を通れて両大洋で運用できなければいけない、ということでした。パナマ運河を通過できる船の最大船腹は、32Mです。

大口径の大砲を搭載するには、横揺れで転覆しないように、艦船には相応の全幅が必要で、結局アメリカ軍は、32M以上の全幅を必要とする大砲を戦艦に搭載できない。

そう考えて、大和は全幅45M、 主砲46Cmを9門搭載し、最大42Km離れた敵艦を撃沈する、とう世界最大のものでした。 この主砲を実戦で安全に運用できるよう、様々な日本独自の技術や設計思想が盛り込まれました。又、船底に隔壁をいくつも作り、魚雷があたっても沈没しない戦艦として設計されました。(不沈空母)これにより、相手戦艦の大砲の射程距離外から、大和は一方的に攻撃できる筈でした。

ところが、実際には航空機の技術進歩が目覚ましく、戦艦は航空機によって沈められてしまう、とということが皮肉にも日本軍によって証明されてしまったのです。(真珠湾奇襲や英国戦艦、プリンス・オブ・ウェールズやレパルスの撃沈)

ただ、海戦当時、誰も(アメリカ軍も、イギリス軍も日本軍も)航空機で艦隊を組む戦艦を撃沈できるとは、運用も含めて考えていませんでした。そして、これ以降、各国は航空機、及び航空母艦を必至になって建造する訳です。

日本軍も急きょ、開戦前の1941年11月には、戦艦をつくるのをやめ、潜水艦、航空機を優先して生産する事を決定、大和、武蔵に次ぐ第三番戦艦として建設されていた「信濃」を設計変更して、戦艦から航空母艦に変更。その他、とにかく、航空母艦の建設、他艦船の改造を試みるのですが、結局、戦争中に建設できた空母は数隻のみでした。

一方で、生産力の勝る米国は、1年で50隻の航空母艦を建設できた米軍と比べるべきもありませんでした。

結局、開戦前に設計、建造開始された戦艦大和は戦争末期、魚雷十数発、爆弾数十発を被弾し、2時間で沈没することになりました。ただ、最後の作戦でも、不沈艦として導入した技術力の効果は発揮され、最後の作戦に参加されて生き残った乗組員の方も「最初に魚雷を受けて傾いた艦が、しばらくたつと水平に戻っていく、ああ、この船は本当に不沈艦なのだと思った。」と証言されています。 これは、水平を保つために浸水した逆側の船底に自動注水する機構が働いたためで、この為、ある程度までの被弾をしても、航行速度、操舵、各砲の使用が継続できるように設計されていた為です。この意味でも、技術的には最高技術の戦艦であったと評価してもよいと思います。


長くなりましたが、原子力発電も同じです。 オイルショックによる苦い経験をした、石油資源をもたない日本が、最新の技術で脱石油依存を目指して原子力発電を推進してきた事は、現在の技術力を考えると妥当であったと思います。(その意味で、スケープゴートのように電力会社や原子力推進の全否定をする発言は、どうかと思います。)

検証されるべきは、果たして原子力の安全基準を適切に改訂し、相応の対策を打ってきたのか?
という事でしょう。そして、適切な対策を打つことによって、どの程度の安全性を確保できるのか再検証する必要があるでしょう。

その上で、今回のような、不幸にして1000年に一度の大災害もあることを考えると、万一の時にもっと制御しやすい技術を如何に開発していくのか、合理的に判断していく必要があると思います。

コストの安い電力の安定供給は、社会基盤の全てにITを使用している近代国家の基礎です。
あまりに感情的になる事なく、冷静に評価しつつ、次代の技術を作り上げていくべきだと思います。

Saturday, May 14, 2011

浜岡原発での止める(やめる、とめる)の民主党の決断力

民主党は、「止める」というのが得意だ。「八ッ場ダム」を止める、と言って政権を自民党から奪った訳だし、事業仕訳も基本的に今までの非効率な事業を継続させない、という取組み。
菅総理も、昨年12月に「諫早湾水門」を開ける決断をした。 (正確には、開聞を求める福岡地裁の判決を上告しない、と決断したのだが、これも低迷していた支持率を、上向かせたという実績がある。)

賛否両論がある問題について、民主党は「止める」という事を非常に簡単に決断する傾向がある。これは旧来の自民党の下で実行されてきた政策を批判することになるのだから、自民党政権が継続していた場合、このような決断はできなかったかもしれない。

昨日、浜岡原子力発電所の5号機が停止され、これで同施設の原子さ力発電が停止された。 もちろん、これも管総理大臣からの異例の要請を受けて、中部電力が決断したものだ。

この首相の要請について、再び政治家としての管総理の決断力を評価する声が多い。ソフトバンクの孫社長や、橋本大阪府知事も、「政治家にしかできない決断」と評価している。


しかし一方で、原発の停止による電力不足をどうするのか。特に、東日本に廻せる余力がなくなったとされるが、どういう検討がなされているのか?地域経済に与える影響を、どのように最小化するのか、こういった道筋が全く見えていない。(いや、どのような影響があるのか、本当に検討したのかすらも定かではない。)

経団連会長などからは、「思考過程がブラックボックス。停止後の影響や対策について検討された様子が全く見えない」と批判されている。

単に「止める」という決断がリーダーシップとして評価するのは間違いである、というのは、八ッ場ダムや諫早湾のその後の混乱を見れば明らかだろう。 止めた時の影響を把握し明らかにした上で決断したのでないなら、そのような決断は誰にでもできる。 本当のリーダーシップとは、止めた事による想定される影響を皆に説明し、影響の最小化に向けて皆の力を結集できることを言うのだろう。

原発の是非は、しばらく議論されることになるので、総理(政府)が本当の意味でのリーダー
シップを発揮することができるか、これから真価が問われることになる。

Sunday, May 8, 2011

読書:The Tipping Point



長いGWだったので、気になっていた'The Tipping Point'を読んだ。よく空港などの書店で売っているPaperBackでも買える本だが、2000年に発売以降、今でも全米ベスト20に毎週のっている超ミリオンセラーの本だ。そして、とても面白かった。

この本は、1990年ごろ、爆発的に売れ始めたHush Puppyという靴の話から始まる。
HushPuppyは1958年に設立された古い靴メーカーだったが、1990年までには売上が落ち続け、年に430,000足しか販売できないようになっていた。 残念ながら、最早、廃業の時だと、創業者は思っていた。

ところが、1994年に変化が現れた。 HushPuppyの靴は、古いパパ-ママショップの小さな小売店にしかおいていなかったのが、突然、売れ始めたのだ。 最初は、少しづつ。 ところが、直ぐに、有名なファッションデザイナーや雑誌の編集者からも直接、本社に問い合わせが入るようになった。 HushPuppy社の経営幹部は、一体何が起こっているのかさっぱり分からなかった。結局、1995年には1年で売上が4倍になった。 そして、何が起こったのか分からないまま、会社はファッション業界で、数々の賞を受賞しながら、再びファッションブランドへと復活することになったのである。

メーカー自身も何が起こっているのか分からないうちに、爆発的に商品が流行する。それは、完全に、口コミ(Word Of Mouth)のお蔭だったのだが、デザインも流通も何も変えていなのに、では、どうしてそんなことが起こったのか? 何が、口コミを起こすきっかけだったのか。そして、どれくらいの人が、どんなように振る舞うと、物や現象はTIPして(臨界点に達して)、突然、爆発的な広がりを見せるのか。 同じメッセージでも、情報の伝達ルートが違うと、途中でメッセージさえ消えてなくなってしまうことがある。 その違いは何か?

この本は、様々な事例を引用しながら、物事(商品や事象など)が社会的なブームとなるのか、その仕組みを分析している。


こういう仕組みを理解していると、TwitterやFacebookなどSNSが、もっと有効なマーケティングツールとして利用できるかも知れない。

★★★★:星4つ。 読んでとても面白い本だと思った。

Friday, May 6, 2011

復興に取り組む各県知事

最も被害の大きかった東北3県、岩手、宮城、福島。予算もつき、これから正に仮設住宅の建設などが開始され、復興に向けて踏み出す事になる。

こういった時に、重要になってくるのが、県知事のリーダーシップである。各被災市町村の状況を的確に把握し、国とのパイプ役になって、地域復興を確実に実現していかなくてはならない。また一方で、単に元あった状況に戻すだけではなく、将来を見据えて地域社会が持続的に発展できるような枠組みも作り直さなくてはいけない。(3県とも、県外流出人口が超過している県なのだから、もとに戻すだけでは、持続的発展は望めない)

本当の意味で、将来も永続可能な地域社会を構築する為には、時に、単に震災前の状況に戻りたいと思う被災された人たちを説得しなければならない場面も出てくるであろう。

重要な立場になるが、どういった人が現職なのか、ここで少しだけ見ておくことにしたい。

1.岩手県知事(1期目)
  氏名:達増 卓也 47才(1964年6月生まれ)
  略歴:岩手県盛岡市出身
     1988年 東京大学法学部卒後、外務省入省
     1996年 衆議院議員当選
     2008年 岩手県知事就任
  人口:過去5年間 毎年1万人の県人口が減っている。内訳は
     自然減(死亡数-出生数)で約5,000人/年 減少
     転出入(転入数-転出数)で約5,000人/年 減少
     国勢調査によるとH17年の県総人口は138万5,041人なので、
     過去5年間の結果、震災前県総人口は135万人程度になっていると思われる。
      
2.宮城県知事(2期目)
  氏名:村井 嘉浩 50才(1960年8月生まれ)
  略歴:大阪府豊中市 出身
     1984年 防衛大学卒業、同年9月より
         東北方面航空隊(仙台市・霞目駐屯地)に着任
     1992年 松下政経入塾
     1995年 宮城県議会 議員
     2005年 宮城県知事就任
  人口:2005年 2,360,218人
     2006年 2,354,992人
     2007年 2,348,999人
     2008年 2,343,767人
     2009年 2,340,029人
     毎年 3,000人~5,000人の範囲で人口が減少している。
     2010年~2011年の調査では、2,000人が転出超(転出数ー転入数)
     となっている。

3.福島県知事(2期目)
  指名:佐藤 雄平 63才(1947年12月生まれ)
  略歴:福島県南会津郡 出身
     神奈川大学卒業後、叔父にあたる渡部恒三衆議院議員(のち衆議院副議長)の秘書
     1998年 参議院議員 当選
     2006年 福島県知事就任
  人口:2005年 2,091,319人
     2006年 2,080,186人
     2007年 2,068,352人
     2008年 2,055,496人
     2009年 2,042,816人
     毎年 11,000人~12,000人の範囲で人口が減少している。
     この内、県外転出入による人口増減は、
     2004年、2005年が6,000人減 2006年が7,000人、2007年、2008年が8,000人減
     となり、県外に移転する人が超過することによる人口減が増加する傾向にある。

今のところ、知事就任以降、県内産業を豊かにし県民人口を増加させることができた知事は一人もいないが、未曽有の危機からの復興を目指して、彼らのリーダーシップに注目していきたい。

4兆152億円の補正予算の内訳:復興財源と政治家

少し旧聞になるが、2011年5月3日に、2011年度補正予算が参院で可決されて成立した。
4兆512億円が復興支援の財源として使われることとなる。

内訳は、
1.災害救助等関係経費  4,829億円
 (うち、予備費も合わせて10万戸の仮設住宅建設:3,626億円)
2.災害廃棄物処理事業  3,519億円
3.災害対応工業事業費 1兆2,019億円
 (うち、公共土木施設(河川・海岸・道路・港湾・漁港・下水道等) 8,235億円)
4.施設費災害復旧費  4,160億円
 (うち、学校施設等 2,171億円)
5.災害関係融資関連経費 6,407億円
6. 地方交付税交付金 1,200億円
7.その他震災関係経費  8,018億円
 (うち、自衛隊・消防・警察・海上保安庁活動経費等 2,593億円)

復興費は全部で15兆円とも20兆円とも言われている中で、この補正予算は、緊急を要するとの判断から、自民党谷垣総裁も認める通り、ほとんど審議もされることなく成立している。

これだけ巨額の予算は、公共投資を削減され続けていた土木関連業界にとって、慈雨となる事は間違いない。 又、国庫による支出の時には政治家が暗躍したりもする。日本の政治家は支出する時は活躍するが、歳出を削減する事が極めて苦手である。

適正に、効率的に執行されるか、注意してよく見ていく事も必要だと思う。

Sunday, May 1, 2011

福島原発に「決死隊」を求める民主党の狂気:

民主党の小沢一郎衆議院議員(岩手4区)氏は昨日、福島原発は、「原発は安定していない。爆発しないようにしているだけで放射線を垂れ流している。根本的な対策を取らなければ大変なことになる。決死隊を送り込んで完全に押さえ込まなければならない。政治が決断することだ」と発言したと複数のメディアが伝えている。

決死隊とは、何だろうか? 高い放射線が確認されている現場に、作業員を送り込んで、人命をとして作業を強制することだろうか? 政治が決断して、いやがる人に無理やりやらせるつもりだろうか。 とんでもない発言だ。 今、必至で頑張って現場で作業している人たちに、これ以上何を求めるのか?

小沢氏だけではない。実は、民主党の幹部はこの種の発言を何度も繰り返している。

3月15日 管総理は、「(原発対応は)あなたたちしかいないでしょう。(原発からの)撤退などあり得ない。覚悟を決めてください。撤退したときは東電は100%潰れる」とまくし立てた。と報道されている。この時は、水素爆発などがあった直後で、何が起こるか分からない状況にあり、東電が作業員の「一時退避」を求めた際に、首相が東電に乗り込んで、やみくもに、作業の継続を求めた発言だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110317-OYT1T00148.htm

3月21日 海江田万経産相(東京1区)は、決死の放水作業の準備中だった東京消防庁のレスキュー隊員に、「速やかにやらないと処分する」と恫喝した問題で、石原都知事に陳謝している。
http://www.news24.jp/articles/2011/03/22/06179135.html

こういう発言が繰り返されるのを見ると、如何に民主党の幹部クラスが、人命を軽視しているかがわかる。(又は、政権与党にいる議員としての自覚が如何に足りないかを示している。)

原発の問題解決の為には、効率的な放射能除去技術や、ロボットの早期投入などにより、無人で運用できるようにする対策が必要だと指摘されているが、この問題は東電に任せっきりだ。
しかし、こういう新しい技術の評価、投入計画の策定は、限られた東電のリソースだけで解決できる問題ではない。 もう大分前から指摘されているが、遅々として準備作業が進まないことを残念に思っている。

福島原発の安定化については、こういった東電だけで解決できない問題に、資源を集中投入できる枠組みを作ることが、国策として原発を推進してきた政府の責任だし、こういった問題で一向に政府のイニシアティブが見えないのが、非常に残念だ。

間違っても、現場作業員の人命を犠牲にするような指示を出すのが、政治の判断ではないことを認識すべきだ。 そこに想いが至らない政治家が、政治の意思決定の中心にいることは極めて危険だ。